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【突撃!広島アスリートの食卓<第10回>】『中国電力レッドレグリオンズ(ラグビー)』吉田橋蔵 ×『FUKUYAMA BATS(3人制バスケ)』河相智志

広島県はプロ野球やJリーグをはじめ、数多くのトップスポーツチームが存在する『スポーツ王国』だ。本連載は、競技の垣根を越え「新たなスポーツの楽しみ方」を提供する広島横断型スポーツ応援プロジェクト、通称『Team WISH』に参加する26チームの選手・関係者が登場し、選手を支える大切な要素である『食』を軸に、対談形式で彼らの魅力をお送りする。

連載第10回目は、ラグビーチーム『中国電力レッドレグリオンズ』から、吉田橋蔵(よしだ・はしぞう)選手が、そして、3人制バスケットボール、3×3(スリー・エックス・スリー)チーム『FUKUYAMA BATS』から河相智志(かわい・さとし)選手が登場。

(中国電力レッドレグリオンズ 吉田橋蔵選手)

吉田選手が所属する中国電力レッドレグリオンズは、1987年に創部されたラグビーチーム。陸上競技部、女子卓球部に並ぶ、中国電力シンボルスポーツのひとつとして活動し、2021年に開幕した新リーグ『JAPAN RUGBY LEAGUE ONE』(通称・リーグワン)では、ディビジョン3に参戦している。リーグワンは、ディビジョン1からディビジョン3までの3リーグで構成されており、シーズン最終順位によりディビジョン間の入れ替えが行われる。中国電力レッドレグリオンズも、上位リーグへの昇格を目指して、日夜トレーニングを重ねている。

一方、河相選手が所属する『FUKUYAMA BATS』(ふくやま・バッツ)は、3×3.EXE PREMIER(スリー・エックス・スリー・ドット・エグゼ・プレミア)に参戦するバスケットボールチーム。3×3(スリー・エックス・スリー)とは、1チーム4名(うち1名は控え選手)でプレーするバスケットボールの一形態。コートの広さは5人制バスケの約半分で、一つのゴールを両チームで奪い合う。1試合のプレー時間も短いため、ファンはスピーディな展開が楽しめるという特徴がある。FUKUYAMA BATSは2019年秋に誕生。福山市を拠点とし、現在は10名の選手が所属している。河相選手は選手としてプレーしながら、チームの代表も務めている。

今回は、『最も多人数でプレーするフィールドスポーツ』であるラグビーと、『3人という少人数でプレーするチームスポーツ』であるという3×3という、一見、両極端なスポーツからプロアスリートの2人が登場。お互いの競技への印象や、アスリートならではの『食』へのこだわりを語ってもらった。

15人でプレーするラグビー、3人でプレーする3×3。人数も規模も異なる2人の共通点は……?

ー今回は、年齢も競技も異なるお2人の対談となりました。お2人は、お互いの競技をご覧になったことはありますか?

吉田「実は僕、プロバスケットボールチーム・広島ドラゴンフライズの佐土原遼選手のファンなんです」

河相「えっ、そうなんですか?」

吉田「はい。僕も小学校の時はバスケットボールをやっていて、ミニバスケのチームに所属してプレーしていたこともあるんです」

河相「そうだったんですね。佐土原選手は、3×3(スリー・エックス・スリー)のU23日本代表でもプレーされていましたよね」

吉田「そうですね! 佐土原選手が出場している3×3の試合を、テレビやネット配信で見ていました。河相選手は、ラグビーの試合を見たことはありますか?」

河相「ラグビーの試合は、テレビでやっているのを見たことがある……といった程度です。ただ、知人にラグビーをやっている方がいたり、指導者の方がいたりするので、今日は吉田選手のことをいろいろと予習してきました」

吉田「ありがとうございます(笑)」

ーさっそく共通点が見つかりましたね!では、お2人が今の競技を始めるようになったきっかけについてお伺いしていきます。吉田選手がラグビーを始めたきっかけは何でしたか?

吉田「僕は小学校の時にバスケとサッカーをしていたのですが、どちらも競技人口が多かったので、なかなか試合に出ることができなかったんです。そんな時に父からラグビーを勧められたのが、この競技を始めたきっかけですね。河相選手が3人制バスケを始めたきっかけは何ですか?」

河相「僕はもともと5人制のバスケをプレーしていて、3人制バスケである3×3を始めたのは2019年頃からです。広島にあるスリストム広島という3×3チームのオーナーと知り合いで、そのオーナーが声をかけてくれたのがプレーを始めた一番のきっかけですね。スリストム広島でプレーした後、地元に帰るタイミングで『FUKUYAMA BATS』を立ち上げました」

吉田「そうだったんですね。5人制のバスケではなく、3人制バスケだったことには何か理由があるんですか?」

河相「僕の地元である福山市は、プロスポーツがあまり盛んな土地ではないんです。何か地域に貢献したいという気持ちもありましたし、福山の子どもたちにプロスポーツを身近に感じてもらいたいという思いもあって、チームを立ち上げました。僕たちのプレーする3×3は、5人制バスケのコートの半分のスペースと、ゴールが一つあればプレーすることができます。街なかにある広場やショッピングモールなどを試合会場として使うことが多いので、バスケに興味のない方や、通りすがりの方の目にも触れる機会があるんですよね。チケットがなくても、買い物のついでに『何をやっているのかな』と気軽に覗くことができるので、プロスポーツ文化に触れる機会の少ない福山市にはちょうど良いのではないかと思っています」

吉田「まだあまり競技に興味のない人にも、気軽に見てもらえるのは良いですね」

“悔しさ”がプレーを続ける原動力に。2人に共通する、逆境をバネにするハングリー精神

河相「吉田選手がラグビー選手になろうと思った理由は何ですか?」

吉田「僕は大学の時の試合がきっかけですね。日本大学に進んでラグビー部に所属していたのですが、3年生の時に出場した試合で、対戦相手との間にすごく実力の差を感じたんです。その時、『プロになって、この人たちともう一度同じ土俵で戦いたい』と思ったことが一番のきっかけでした。大学時代に感じた悔しい思いが、ラグビーを続ける原動力になっていました」

河相「その気持ちはすごくよく分かります。僕は、小学生の頃からずっと『プロになるのは無理だぞ』と言われ続けていたんです。中学時代は陸上部でしたし、高校時代は帰宅部でした。でも、そうした中でも諦めないというハングリー精神でここまでプレーを続けてきましたし、今は『若い者には負けないぞ』という気持ちでプレーしています」

吉田「ハングリー精神は、僕も大切にしているものの一つです。ラグビーというスポーツは、体の大きな選手、小さな選手、走るのが速い選手、遅い選手……と、どんな人でもそれぞれのスタイルや特技に合うポジションがあるというのが一番の特徴だと思います。僕はサッカーとバスケをしていましたが、キック力がなかったのでサッカーはできないし、バスケでも、あまり器用ではないので他の子に勝てなかったりということがありました。ただ、ラグビーには自分の居場所があったというか……誰にでも自分の居場所があるのが、ラグビーという競技の魅力の一つだと思っています」

河相「ちなみに、バスケをされていた時のポジションはどこだったのですか?」

吉田「僕はポイントガードをやっていました。ラグビーでは、スタンドオフをやっています」

河相「ポイントガードはバスケの試合でも“司令塔”の役割ですよね」

吉田「そうですね。スタンドオフもラグビーでは“司令塔”の役割を持つので、そういう意味では、バスケをやっていた経験が生かされているのかもしれません。河相選手のポジションはどこですか?」

河相「僕の役割は、主に“シュートを打つ”ことです。シューティングガードをやったりもしますね。ポイントガードの吉田選手が司令塔なら、僕はそのポイントガードに“操られる側”です」

一同「(笑)」

吉田「いやいや、そんなことはないと思います(笑)」