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取材記事
【突撃!広島アスリートの食卓<第9回>】『中国電力陸上競技部』藤川 拓也 ×『ダイソー女子駅伝部』平村 古都
陸上選手の天敵は『貧血』。意識をしている食材は、意外にもあの主食
ーここからは、対談のもう一つのテーマでもある『アスリートの食事』についてお伺いしていきます。お2人は食事を摂る上で、意識していること、気をつけていることはありますか?
藤川「僕は若い頃から貧血気味で、ずっと悩みの種だったんです。実業団に入って寮にいた時は、管理栄養士さんがバランスの良い食事を用意してくれていたのでそれを食べていましたが、結婚して寮を出るタイミングで管理栄養士さんと個人的に契約をすることにしました。日々の食事を写真で撮って、体調や体重と合わせて報告しながら、『何が足りていて、何が足りていないのか』をチェックしてもらうようにしているんです。ここ4年間はそうした取り組みを続けていますね」
平村「貧血対策として、特に意識している食材はありますか?」
藤川「一番は“炭水化物”、白ご飯ですね。鉄分が多いと言われる食材も摂っていたのですが、それだけでなく、血液の素となるもの自体が今まで少なかったんだと思いました。栄養士さんに見てもらって食事の内容を改善してからは、貧血もなく走れるようになっています。もちろん、バランスの良い食事をすることは大前提ですが、今の食事の内容が僕自身には合っているんだと思います」
平村「言おうとしていたことを、全部藤川選手に言われてしまいました……」
一同「(笑)」
平村「私も、『意識して摂っているのは“お米”』って、言おうと思っていたんです(笑)。陸上は貧血になりやすいスポーツだとも言われていて、私自身も高校時代に貧血の症状が出ていたことがありました。実業団に入って、スポーツと貧血の関係や栄養素について勉強する機会があって、私の貧血を改善するには『お米』が良いとアドバイスをしていただきました」
藤川「お米を摂るにしても、自分の体重や運動量に合わせることが大切ですよね。僕の場合は体重が減ってきたら『足りていないよ』というサインなので、そうならないように気をつけています」
ーでは、お2人が、試合前に必ず食べると決めている“勝負飯”はありますか?
藤川「僕はあえて“勝負飯”を決めていないんです」
平村「あっ……」
藤川「もしかして、また言いたいことかぶった?」
平村「はい(笑)」
藤川「マジか……じゃあ、理由も同じかもしれませんね(笑)。僕が勝負飯を決めない理由は、特に海外に遠征に行った時などが顕著なんですが、そもそも『食べることができない』『手に入らない』ことがあるからなんです。国内でも、大会が開催される場所によっては手に入らないこともあります。そうなった時に嫌なので、あえて決めないようにしていますね」
平村「私もまったく同じです(笑)」
藤川「そうだよね……なんか、ごめんね」
一同「(笑)」
ーお2人は地元・広島のご出身です。藤川選手は県北の庄原市、平村選手は瀬戸内に面した呉市の出身ですが、地元の食べ物でおすすめの料理や印象的なものがあれば教えてください。
藤川「うーん、地元の食べ物……インパクトがあるのは『ワニ』ですかね」
平村「えっ?」
藤川「僕の地元の地域では、鮫のことをワニと呼んでいるんです。小さい頃は給食にも出てきたんですが、僕はちょっと苦手で……」
平村「鮫を食べるんですか?給食で……?」
藤川「そう、給食に出てくるんです」
平村「どうやって料理するんですか?」
藤川「あれは何ていうのかなぁ、竜田揚げみたいな感じでしたね。ワニは日持ちがするらしいので、県北の方ではよく食べられていたみたいですね」
平村「そうなんですね。ワニ料理、初めて聞きました。同じ広島でも、地域が離れると知らない食材もたくさんあるんですね。私の地元の呉市だと、食材ではないのですが、おすすめのお菓子屋さんがあるんです」
藤川「お菓子屋さんですか?」
平村「はい。『エーデルワイス』というお店のクリームパイが、すごくおいしいんです」
藤川「ああ!聞いたことあるような気がしますね」
平村「あれは呉にきたら絶対に食べてほしいです。本当においしいんですよ」
藤川「甘いものが好きなんですか?」
平村「そうなんです。でも、『明日から何を食べても良いよ』と言われると、ジャンクフードが食べたくなっちゃいますね。ハンバーガーとかポテトとか……普段はあまり口にはしないんですが、ふとした瞬間に無性に食べたくなることがあるんです」
藤川「僕はフルーツが好きなので、『何を食べても良いよ』と言われるとフルーツを選びますね。母方の祖母の家が梨農家で、昔から梨をたくさん食べていました。今でも梨は好きですね」