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【突撃!広島アスリートの食卓<第8回>】『ワクナガレオリック』小武 蒼太(ハンドボール) ×『マツダスカイアクティブズ広島』芦田朋輝

広島県はプロ野球やJリーグをはじめ、数多くのトップスポーツチームが存在する『スポーツ王国』だ。本連載は、競技の垣根を越え「新たなスポーツの楽しみ方」を提供する広島横断型スポーツ応援プロジェクト、通称『Team WISH』に参加する26チームの選手・関係者が登場し、選手を支える大切な要素である『食』を軸に、対談形式で彼らの魅力をお送りする。

連載第8回目は、ラグビーチーム『マツダスカイアクティブズ広島』から、芦田朋輝(あしだ・ともき)選手が、そして、ハンドボールチーム『ワクナガレオリック』から、小武蒼太(こたけ・そうた)選手が登場。

芦田選手がプレーするラグビーはイングランドが発祥と言われ、フットボールから派生したスポーツの一つ。2019年の日本開催W杯では日本代表がベスト8入りするなど大躍進を果たし、一大ブームを巻き起こした。2022年には国内ラグビーリーグであるJAPAN RUGBY LEAGUE ONE(通称・リーグワン)が開幕。ディビジョン1から3までの3部制で、優勝・残留・昇格・降格をかけて23チームが鎬を削っている。マツダスカイアクティブズ広島は、1961年に東洋工業(現・マツダ)の同好会として発足。トップリーグ開幕後の2007〜2009年にかけてはトップキュウシュウAで連覇を達成するなど、広島の古豪として君臨している。

一方、小武選手がプレーするハンドボールはデンマークが発祥と言われるスポーツ。ラグビーと同じくフットボールから派生したとも言われるが、バスケットボールと類似したルールが追加されるなど、成り立ちに独自の特徴を持つ。ドイツ、スペインではプロリーグも開催される人気競技で、日本では1976年に日本ハンドボールリーグが設立された。オリンピック競技にも採用されており、1972年からは4大会連続で出場。2021年開催の東京五輪にも出場した。ワクナガレオリックは、1976年の日本ハンドボールリーグ発足以来、1部に所属し続けている男子ハンドボールチーム。リーグ優勝8度、日本選手権、国体での優勝経験も豊富な強豪チームだ。

今回は、同じ“素手でボールを扱う”という共通点を持つ両選手を招き、お互いの競技への印象やアスリートならではの『食』へのこだわり、2人の『勝負飯』ついて語ってもらった。

中学時代、身長はすでに180cm!長身の秘密はやはり“あの”飲み物にあり……?

(ワクナガレオリック 小武蒼太選手)

ーまずは現在の競技を始めたきっかけを教えてください。

小武「父がハンドボールをやっていたことや、兄がハンドボール教室に通っていたことがきっかけの一つです。これを言うのは恥ずかしいんですけど……当時、家には兄が教室に持っていくためのスポーツドリンクがたくさんあって、それがすごく美味しそうに見えて(笑)。『僕も飲みたい』と言うと『ハンドボールを始めるならいいよ』と言われて、それでハンドボールを始めることになりました」

芦田「僕は高校生の時にラグビーを始めました。実は、それまであまりスポーツはやっていなかったんです」

小武「えっ、そうなんですか?」

芦田「はい。ただ、当時から周りに比べると体が一回り大きかったので、高校のラグビー部の先生に声をかけてもらって入部することになりました。もともと親戚がラグビーをしていて、その試合を見て『おもしろそうだな、やってみたいな』という思いもあったので、高校でスカウトされたことをきっかけに競技を始めました」

ーおふたりとも、小さい頃から体が大きかったり、身長が高かったのでしょうか?

小武「僕は中学の頃にぐっと身長が伸びて、180cmくらいになりました」

芦田「僕も同じです。中学で180cmまで一気に伸びました」

(マツダスカイアクティブズ広島 芦田選手)

ー中学で180cmというと、かなり大きいのではないですか?

小武「教室でも、席は後ろの方になることが多かったですね」

芦田「確かに。僕もそうでした」

ー身長を伸ばすためや、体を大きくするために特に意識していたことはありましたか?

芦田「そうですね……。給食に出てくる牛乳を、3本くらい飲んでいました」

小武「僕も牛乳はよく飲みましたね。小さい頃は、寝る前に必ず飲むようにしていました。ただ、特に何か目的があったというよりも、『好きだから』という部分が大きかったですけど(笑)」

芦田「僕もどちらかというと、純粋に『牛乳が好きだから』という理由が大きかったですね(笑)」

ーなるほど。『牛乳』は体づくりのキーワードの一つになるのかもしれませんね。おふたりは今日初めてお会いされたと思うのですが、お互いの体つきをご覧になっていかがですか?

芦田「いやぁ、腕がゴツいなと思いました(笑)。あとは、すごく俊敏に動けそうだなという印象を受けました」

小武「僕は、とにかく『体が分厚いな!』と思いました。ハンドボールだと、ピボット(相手ディフェンスに立ち塞がり、守備をブロックするなど体を張ったプレーが多いポジション)以外ではなかなか体の分厚い選手はいないので、すごい体つきだなと思って見ていました」

ーでは、そんなおふたりが競技を始めて、ハマるようになったきっかけは何でしたか?

芦田「僕がラグビーを始めた高校はあまり強いチームではなかったので、勝敗どうこうというよりも、ラグビーならではの『ボールを持って人とぶつかり合う』という醍醐味が面白いなと感じていました。その面白さがあったからこそ、ずっと続けてこれたんだと思います」

小武「僕は小学2年からハンドボールを始めたのですが、実は、最初のうちは練習に行きたくないくらい嫌いでした(苦笑)。ただ、初めて自分でシュートを決めることができた時に、すごく『楽しい』と感じましたね。練習して、どんどんシュートが決まるようになってからは、ハンドボールの魅力に惹かれるようになりました」

ー当時、憧れていた選手はいましたか?

芦田「僕はとにかく毎日練習して、ラグビーをすることが好きでした。当時は、ラグビーを観ることにあまり関心がなく、憧れていた選手というのはなかったかもしれませんね」

小武「『己と向き合う』という感じですね」

芦田「どちらかというと、そうですね。小武選手の憧れの選手は?」

小武「僕は当時、宮﨑大輔選手(元・日本代表選手。アテネ五輪、ロンドン五輪、リオ五輪などの予選で活躍し、メディアの注目を集めた。世界選手権、アジア選手権にも多数出場。現在はアースフレンズBMの選手兼監督を務める)が全盛期で、ハンドボールの一大ブームを巻き起こしていました。その時の宮﨑選手のプレーを見て、『こんなすごい人がいるんだ』と思ったことを覚えています」

ーおふたりは、お互いの競技をご覧になったことはありますか?

芦田「ハンドボールは、テレビでやっているのを見たことがあるくらいですね……。まだ試合をフルで見たことはないんです。でも、先ほど名前の出た宮崎大輔選手はもちろん知っていますし、すごいジャンプ力で、シュートを決めて……というイメージがありますね」

小武「僕もラグビーの試合をフルで観戦したことはないのですが、ニュースで取り上げられることがたくさんあったので、それで見たことがありますね。ハンドボールも身体接触のあるスポーツですが、それよりも一段階激しいなというイメージがあって……実は、ちょっと怖いイメージがありました(笑)」

芦田「僕は逆に、ハンドボールのシュートの速さがすごいなと思っていて」

小武「速さですか?」

芦田「はい。あんな至近距離で、キーパーはどうやって止めているのかなと思っていました(笑)。よくボールを目で捉えることができているなぁと思いましたし、意外と体をぶつける競技なんだな、とも思いました」

小武「そういう体の接触があったり、激しいプレーがあるという点では、ラグビーとハンドボールで似ているところもあるのかもしれませんね」