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市町独自のスポーツ施策と
広島スポーツを繋ぐ新コンテンツで楽しむ広島

スポーツアクティベーションひろしま(以下、SAH)代表の神田康範です。広島のスポーツに携わり、4年目の春を迎えることとなりました。これまでさまざまな挑戦を続けた結果、将来性あるプロジェクトが幾つも立ち上がり、広島のスポーツ市場の規模拡大や成長が見え、改めて広島におけるスポーツの可能性を確信しております。これもひとえに、スポーツを愛する広島県民の皆さまの並々ならぬ努力とご協力があったからこそです。

 今回のコラムでは、昨年度の取り組みや成功事例、そしてスポーツビジネスの重要性などをお伝えしたいと思います。

補助金頼みではなく継続性を意識した施策を

(呉市で取り組む事業「スポワンKURE」)

SAHの取組の柱となる「わがまちスポーツ」は、県内23市町が、それぞれの目指す姿・目標や地域課題解決に向けて、地域のスポーツ資源を最大限に活用し、地域全体の魅力を高める広島県独自の取組です。スポーツを軸に経済や地域の活性化等を進める市町には、3年間補助金が交付され、専門家からのアドバイスが受けられるなど、手厚いサポートが付いてきます。しかし、補助金が切れたらそれで終わりというものでなく、長く続く活動にしていかねばなりません。そのためには、補助金頼みではない施策を打つ必要があります。それぞれの市町が、継続するための体制作りを進め、その運転資金を稼ぐ仕組みを作り、そして地域の経済を回していくことや地域住民が誇りに思うような取り組みを進めていく必要があるのです。

2020年にスタートした「わがまちスポーツ」には、北広島町、府中市、福山市が名乗りをあげ、SAHが伴走し、各市町のスポーツ施策に取り組んできました。これらの3市町の金銭的支援は令和4年度末で終了しましたが、引き続き有識者の派遣などの人的支援は行い、各市町のスポーツ施策が長く続くようサポートしていきます。SAHには、課題に対する助言を目的とした、アドバイザリーボード(広島県スポーツ政策アドバイザー)を設けています。約20人の有識者の皆さまが、さまざまな悩み相談やノウハウ提供、調査依頼に対して赴くなど、万全な体制を整えて支援を続けていきます。そして、令和5年度からは、新たに広島市・三原市・安芸太田町が「わがまちスポーツ」をスタートさせます。それぞれの市町が目指す姿の実現に向け、市町の皆さまや関係者の皆さまと共に取組み、県内のスポーツ推進に注力していきたいと思っています。

女子野球に特化した三次市の成果

女子野球ワールドカップ(W杯)のグループラウンドが、三次市の「三次きんさいスタジアム」にて今年の9月に開かれるというビッグニュースが飛び込んできました。三次市は、「女子野球」を活用した地域活性化に挑戦し、全日本女子野球連盟から「女子野球タウン」に認定され、女子硬式野球西日本大会を2年連続で開催するなど、目覚ましく躍進しています。女子野球に特化した地域活性には、私も初動時から携わりましたが、何より行政の方の熱量がとても大事です。市長をはじめ、女子野球に熱い気持ちを持つ職員の皆さんが、施策をまとめ、住民への理解を即すなど、汗をかいた結果が成功に繋がっています。また同市は、女子野球チームを作ろうとしています。大きな大会を誘致したはいいものの、地元が応援できるチームがないのは寂しいという声が上がったそうです。三次に女子野球チーム誕生が実現すれば、スポーツが盛り上がるのはもちろん、さまざまな課題解決も予想できます。地方の人口減少は、日本の大きな課題です。特に女性の地方移住は、どんな施策を打っても実現は難しいものです。しかし女子野球チームができることにより、女性の移住志向が高まり、定住する可能性も高いことから、非常に面白く意味ある企画だと思っています。三次市の女子野球を取り巻く取り組みは、「わがまちスポーツ」の1つの成功事例といえるでしょう。 私も今後の三次市に、大きく期待しています。