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【突撃!広島アスリートの食卓<第5回>】『サンフレッチェ広島』OB・森﨑 浩司(サッカー)×『サンフレッチェ広島レジーナ』近賀 ゆかり(サッカー)

ポイントは“時間”と“タイミング”。自分に合ったメニューを選ぶことも大切

ーここからは『アスリートと食事』というテーマでお話を伺っていきます。プロサッカー選手を続ける中で、食事で気をつけていること、気をつけていたことはありますか?

近賀「私は、あまり遅い時間に食事を摂らないようにしています。食べる内容や量はトレーニングや試合の強度に合わせて調整していますが、美味しいものを食べてリフレッシュすることで『また頑張ろう』という気持ちにもなりますから、食事の内容をすごく制限するというよりも、食事の時間にこだわるようにしています」

森﨑「僕が現役時代にいちばん気をつけていたのは、バランスよく食べるということですね。食事を摂るタイミングも、トレーニング後なるべく30分以内に食べたほうが良いと言われていたので、できるだけ早めに摂るようにしていました。僕も食事が楽しみの1つだったので、食べる内容にはこだわりすぎないようにしていましたね」

ー食事を制限しすぎず、バランスよく、時間やタイミングに気をつけながら……という点では、お2人とも共通されているんですね。ちなみに、お2人が試合前に必ず食べる“勝負飯”はありますか?

近賀「私は、あまり勝負飯や験担ぎを決めないようにしていますね。『絶対にこれをする、これを食べる』と決めてもその通りにできないこともありますし、勝負飯を決めてしまうと手に入らなかったときに困ったりもしますし。試合前の食事は、時間や内容に気をつけて、自分に合ったものを選ぶようにしています」

森﨑「僕の場合、勝負飯というわけではないのですが、試合前に必ず食べるメニューは決まっていましたね。選手は試合の3時間前に食事を摂るんですが、そのとき必ず食べていたのは、おにぎり1つ、軽めのうどん、バナナでした。それがちょうどよく試合に向かっていける食事量だったので、自然とルーティーンになっていましたね。ただ、食べる量や内容は、本当に選手それぞれだと思います。例えばサンフレッチェ広島の柏好文選手はすごく運動量の多い選手なんですが、試合前の食事が『カステラ1つだけ』ということもありました。自分に最適な内容はそれぞれなので、自分に合ったものを考えながら食事を摂ると良いと思います」

ー近賀選手は、広島に来て初めて食べたものや、気に入ったものはありますか?

近賀「お好み焼きと牡蠣は、これまで食べていたものより美味しいなと思いました。特にお好み焼きは、『やっぱり有名なだけはあるなあ』と感じましたね。本当に美味しいお好み焼きと牡蠣を食べたときに、『ああ、広島に来たんだ』と実感しました(笑)」

森﨑「確かに。ハイボールとも合いますもんね!」

近賀「うーん、それは分かんないですけど(笑)」

ーでは、広島出身の森﨑さんが、近賀さんにおすすめしたい広島グルメは?

森﨑「意外と知られていないかもしれないんですが、“ウニホーレン”ですね」

近賀「へー、食べたことないです。広島名物なんですか?」

森﨑「そうそう。ソテーしたホーレン草にウニを合わせた料理なんだけど、けっこう知られていなかったりするんですよね。ぜひ一度食べてみてください。居酒屋さんで置いているお店もありますし、バケットに乗せて食べたりするのもおすすめです」

近賀「いい情報を聞きました(笑)」

サンフレッチェアンバサダーとレジーナキャプテンが語る、広島とサッカーの未来

ーお二人はアンバサダーと選手という形でサンフレッチェに携わっていますが、これから広島の街で、どんな存在になって行きたいと考えていますか?

近賀「レジーナが活躍することで、全国に広島という地をもっとアピールしていけるのではないかと思っています。それに、カープ、サンフレッチェ男子チーム、レジーナが同時に優勝するようなことがあれば、広島のみなさんにもすごく喜んでもらえるんじゃないでしょうか。それを想像するとわくわくしますし、みなさんと一緒に喜べるようなことを成し遂げられたら、選手としても幸せだなと思います」

森﨑「ヨーロッパなどには『サッカーがスポーツの中でNo.1だ』という認識がすごく強い地域もあって、生活の一部に文化として根付いているんです。サンフレッチェも、広島のみなさんにとって仕事をする原動力になったり、生活の一部のような存在になれたら最高ですね」

ーそれでは最後に、お互いにエール交換をお願いします。

森﨑「そうですね。近賀選手は現役のサッカー選手であり、レジーナのキャプテンであり、誰もが認める、尊敬される選手です。まずはプレーヤーとして、9月から始まる新しいシーズンを楽しんでほしいですし、その一方で、プレーヤー兼レジーナの広報大使としても期待していますので……(笑)。そのあたりも、ぜひご協力いただければと思います」

近賀「はい、がんばります(笑)。浩司さんはアンバサダーとしてサンフレッチェに関わり続けてくださっていますが、選手としてクラブを支えた方が引退後もクラブ内にいるということは、非常に大きな意味があると思います。私たちレジーナにも、誕生当初から関わり続けてくださっていて、選手にとっても『最近浩司さん見に来てくれないな』と話題が出るほど身近で大きな存在です。これからも、もっともっとレジーナに関わってもらいたいですし、サンフレッチェというクラブが広島の一部になっていくという意味では、浩司さんにはすごく大きなミッションがあると思います。レジーナとしても浩司さんといっしょにそのミッションに関わっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします!」

森﨑「こちらこそ、よろしくお願いします!」

(今季絶好調のサンフレッチェ広島、2シーズン目の飛躍を誓うサンフレッチェ広島レジーナにぜひご注目を!)

森﨑浩司

Koji Morisaki

1981年5月9日、広島県出身。
2000年、双子の兄・和幸とともに、サンフレッチェユースからトップチームに加入し攻撃的MFとして活躍。チームの中心選手として、サンフレッチェ広島3度のJ1優勝を支えた。2016年に引退を表明。ラストゲームとなった10月29日のホーム最終戦(福岡)ではスタメン出場し、1得点を挙げ優秀の美を飾った。現在はクラブのアンバサダー、サッカー解説者として活動。

◆チーム情報/サンフレッチェ広島
広島を本拠地とするプロサッカークラブ。1992年にJリーグに加盟したオリジナル10の1つ。クラブ名の「サンフレッチェ」は日本語の『三』とイタリア語の「フレッチェ(矢)」を合わせた造語で、広島ゆかりの戦国武将・毛利元就の「三本の矢」の故事にちなんでいる。また、ユースチームでの育成にも力を入れており、野津田岳人、茶島雄介、川村拓夢ら県内出身選手も多く所属。国内外に多数のJリーガーを輩出している。

近賀ゆかり

Yukari Kinga

1984年5月2日、神奈川県出身。
日テレ・ベレーザ、INAC神戸レオネッサの他、アーセナル・レディースFC(イングランド)、キャンベラ・ユナイテッドFC(オーストラリア)など国内外のクラブで活躍。2011年のドイツワールドカップでは全試合フル出場し、日本代表の初優勝に貢献した。2021年、WEリーグ新設チームであるサンフレッチェ広島レジーナに完全移籍。初代キャプテンとしてチームをけん引した。2022-23シーズンも引き続きキャプテン就任が発表されている。

◆チーム情報/サンフレッチェ広島レジーナ
サンフレッチェ広島に新設された、女子プロサッカークラブ。2021年に発足した日本女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』に加盟している。クラブ名称の『レジーナ』はイタリア語で『女王』。サンフレッチェの語源である「三本の矢」の故事を大切にしながら、女王に輝くチームを目指すという思いが込められている。2021-22シーズンの順位は11チーム中6位。2022-23シーズンも所属全選手が残留することが発表されている。


本取材にご協力いただきましたサンフレッチェ広島、サンフレッチェ広島レジーナの関係者の皆様、本当にありがとうございました。