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取材記事
主将とルーキーの上下関係なく、チーム一丸で勝利を掴め
広島のスポーツと横のつながりを築きたい
― では、バレーボールの話に戻ります。小野寺選手は今シーズンからキャプテンを務められていますが、心がけておられることはどんなことですか?
小野寺「キャプテンはチームの象徴のような存在です。プレーは当然のこと、発言ひとつとっても、みんなが聞いているし見ています。どういうキャプテン像がいいのか、今はまだ試行錯誤の途中です。ひとまず、シーズンが始まる前には、一人ひとりが伸び伸びとプレーして、それが良い結果に繋がっていくようにしたいと考えてました。しかし、いざシーズンが始まると、そう簡単にはいかないこともあります。上手くいかないときにチームをまとめたり、考えることも予想以上に多かったです。難しい役割ですが、チームを引っ張れるように成長していきたいと思います」
―坂下選手にとって、小野寺選手はどんなキャプテンですか?
坂下「悪いことが起きてもあまり悪い言い方をせず、プラス思考でチームに良い雰囲気を与えてくださっていると感じます。プレーでもすごく引っ張ってくれる、頼もしい存在です」
―坂下選手は、JT サンダーズ広島のユニフォームを着て、初めてコートに立った時はどう感じましたか? また、加入後に意外なギャップなどありましたか?
坂下「 V リーグは中学生の頃からの憧れだったので、その舞台に立てたことがすごく嬉しかったです。でも、『僕の能力で V リーグを戦えるのかな』という不安の方が大きかったですね。今、いろいろ試行錯誤して失敗しても再チャレンジしていることが、少しずつ成功に繋がっています。手応えを感じられているのはうれしいですね。ちなみに最初にユニフォームを着たときには、緑がちょっと似合わないかなって思っちゃいました(笑)。チームは、思っていたよりアットホームで驚きました。居心地が良いです。すみません、語彙力なくて(笑)」
―緑は似合っています(笑)! というか、どんどん似合っていくものなのではないでしょうか。話は変わりますが、西村信選手、平井海成選手、新井雄大選手と4人で新人カルテットと呼ばれていますが、どなたからの発信なのですか?
坂下「誰発信で言われているのか分からないんです。ときどき話題に出されることがあるので、こんなに定着しているんだって逆に驚いています(笑)。同期は自分が悩んだ時に話せる心強い存在となっています。試合が終わったら4人で集まって、反省点など話し合うことが多いです」
―今後の課題はどんなことですか?
坂下「プレーの課題はたくさんあり過ぎます。質の高いパスを返せるようになりたいですし、スパイクを無理な体勢で打って失敗するということを減らしたいと思っています。ブロックでは、外国人選手に上から打たれるのは仕方ありませんが、せめて指先だけでも触れられるように頑張りたいです」
―小野寺選手が坂下選手に期待しているのはどんなことですか?
小野寺「プレー全体ですごく高い能力を持っているし、すでに活躍してチームを助けてくれていると感じています。これからも試合に出て、チームを引っ張る存在になってもらいたいです。あと、坂下選手は後輩力が高く、みんなから好かれる性格をしていると思います。謙虚だし練習も真面目に取り組むし、試合では活躍するし、適度に生意気だし(笑)。非の打ち所がないんですよね。強いて言うなら、髭が濃いぐらいです(笑)。持ち前のいい性格を生かして、今後も変わらず存在感を発揮してもらえるといいなと思います」
―広島はスポーツが盛んな地域です。他のスポーツとのコラボレーションなど、交流してみたいことはありますか?
小野寺「僕はいろんな始球式に出てみたいです。カープとドラゴンフライズは出させていただきましたが、サンフレッチェなど他のスポーツの始球式やイベントなどにもっと呼んでもらえるようになりたいです。もちろん、僕たちの試合やイベントにも他スポーツの選手が来てくださったらうれしいですよね。横のつながりを持てるのはスポーツが盛んな広島でしかできないことだと思うので、もっと交流を深めていきたいです」
―坂下選手は広島に来て間もないですが、してみたいことはありますか?
坂下「コロナ禍に広島に来たので、まだファンの方と交流をしたことがありません。以前は一般の方が練習を見学できて、練習後に話したりできたそうですね。そういう交流を通して、ダイレクトに声援をもらえると、より一層頑張れるだろうなと思いました」
―最後に、注目していただきたいプレーや意気込みをお願いします。
坂下「身長が低いながらも得点する能力や、スパイクの技術を見てもらいたいです。そして、身長が低くても通用するということを子ども達に見せたいと思っています。自分が結果を出すことでチームを勝利へ導いていきたい。これから勝ちを重ねて、上位進出できるように頑張りたいです」
小野寺「ミドルブロッカーというポジションの名前にもある通り、僕の仕事はブロックです。相手チームのエースや外国人選手を止める姿を、ぜひ見てもらいたいです。これから負けられない試合やプレーッシャーがかかる試合が多くなってくると思いますが、チーム一丸となって戦っていく姿を広島の皆さんに見ていただき、一緒に勝利を分かち合いたいと思います。精一杯頑張るので応援よろしくお願いします」
小野寺太志
Taishi Onodera
1996年2月27日生、宮城県出身。ポジション:ミドルブロッカー。202cm、98kg。東北高校から東海大学へ進学。2018年にJTサンダーズ(現JTサンダーズ広島)に入団。その後、2021年からはプロ選手として活躍。日本代表経験多数。2021年東京チャレンジ2021では日本代表のキャプテンも務めた。
坂下純也
Junya Sakashita
1998年6月14日生、神奈川県出身。ポジション:アウトサイドヒッター。181cm、75kg。駿台学園高校から筑波大学へ進学。2021年JTサンダーズ広島に入団。ミスの少ない選手になることが目標。
JTサンダーズ広島
JT Thunders Hiroshima
1931年頃に「専売広島」のバレーボールチームとして創部した。日本でも古参のチームで、かつて日本男子バレーを世界の頂点へと導いた猫田勝敏も所属した。1967年から始まった全日本バレーボール選抜男女リーグから現在の2021-22 V.LEAGUE DIVISION1 MEN に至るまで一度も2部に降格せず、ずっと1部リーグで活躍している唯一のチーム。
本取材にご協力いただきましたJTサンダーズ広島の関係者の皆様、本当にありがとうございました。