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取材記事
いよいよB1リーグが開幕!今年も広島にバスケットボールの季節がやってくる!
バスケットで広島を盛り上げる、それが最大の使命
―辻選手は川崎の頃は日本人のヘッドコーチ(監督)とプレーをしていました。新しく就任したカイル・ミリングヘッドコーチの印象はどうですか?
辻選手:コミュニケーションを取りやすいですし、コーチが目指しているバスケットも理解しやすいので、僕からするとプレーしやすいです。
―ヘッドコーチから何か言われたことはありますか?
辻選手:3〜4シーズン前のスタッツを見てもらったようで、「同じようなパフォーマンスをこのチームでもしてほしい」と言われました。
―期待は高そうですね。副キャプテンとしての抱負はいかがですか?
辻選手:少しずつ、思うこと、言いたいことが出てきているので、徐々に伝えていこうと思っています。チームをまとめていくためにも、チーム内のコミュニケーションを深めていきたいですね。
―朝山さんは在籍7シーズン目ですが、今季は選手が大きく入れ替わりました。チームをまとめるために、ベテランとしてどのようなアプローチを考えていますか?
朝山選手:昨シーズンまではキャプテンをやらせてもらい、いろんなことを発信してきました。今シーズンはガラッとチームが変わり、コーチも外国人になっています。コミュニケーションを取りやすいコーチですけど、今は見守るスタンスでいようと思っています。ただこれから長いシーズン、いろんなことが起きるはずです。何か発信したほうがいいと思うタイミングがきたら、チームのために何が必要かを考えたうえでアプローチしたいと思っています。
―朝山選手から辻選手に、広島でプレーする上でのアドバイスはありますか?
朝山選手:先ほど辻が言っていたように、広島には相当な覚悟を持って移籍してきたと思います。広島では、バスケットをもっと上手くなりたい、もっとやれるという思いを第一に暴れてほしい。そうすると周りの選手も乗ってきます。
また辻は天性のキャラがありますし、そういった姿を見せてくれれば、チームに与える影響も大きいと思います。だから変にかしこまらないでほしいんです。チームを背負ってほしい存在であることは間違いありませんが、まずは、そこは気負わずにのびのびやってほしいと思っています。
辻選手:広島に来て間もないくらいの頃に、朝山さんから同じような言葉を贈ってもらい、パッと視野が広がった気持ちになりました。変に気を使わなくていい、萎縮しなくていいんだと気付けたんです。そうやって楽しんでプレーすることが試合のパフォーマンスにつながり、結果がついてきて、バスケットで広島を盛り上げることができたらいいなと思います。僕の立場ではそれが最大の使命、仕事ですね。
―広島にはアイザイア・マーフィー選手がいて、今季は寺嶋良選手も加入しました。20代前半の有望選手に伝えたい、伝えようと思っていることはありますか?
朝山選手:まずは思い切ってやってもらいたいですね。バスケットをやっていく中で感じるもの、ぶつかるものがあるはずです。寺嶋、マーフィーは、これから代表も狙える選手なので、チャレンジを続けていってほしいですね。
観てくれる方々が元気になる試合を届けたい
―チーム、個人の目標についてはどうですか?
辻選手:先日ミリングヘッドコーチとその話をしました。ヘッドコーチは、チャンピオンシップや優勝といった目標を立てると、長いシーズンの中で調子が悪くなったとき、変なプレッシャーがかかるという話をしていました。だから、今シーズン全体の目標を立てるのではなく、目の前の試合に勝つことを目標にする。それを続けていけば、チャンピオンシップ、地区優勝が見えてくると思います。いきなり高い目標ではなく、一つひとつ進んでいくのがチームにとってはいいのではないかと感じています。個人の目標は、今までのキャリアで一番いい成績を収めることですね。
朝山選手:チームとして目指すべき方向は辻が言ったとおりですね。そして大切にしたいのは観てくださっている方々の思い。僕たちの試合を見て、元気になるー。「ドラゴンフライズの試合があるから今週頑張れる」とか「これを見たから1週間頑張れる」とか、そうやってファンのみなさんの生活の中に入っていけるー。毎年、そういった試合を届けたいと考えています。今シーズンも広島の人たちの生活に寄り添うことが、チームの目標の一つだと思っています。あと、個人的な目標は、怪我をしないで1シーズン戦い抜くことです。
―広島ドラゴンフライズ、お二人を応援するファンの方にメッセージをお願いします
辻選手:いろんな期待を持ってくださっているはずなので、それを裏切りたくないと強く思っています。今までにない広島ドラゴンフライズをみなさんにお見せしたいですね。朝山さんが言われたように、広島ドラゴンフライズは大変な時期を乗り越えてきたチームです。人間味のあるチームというか、色んな人の支えで今のチームがあります。そういった思いを選手一人ひとりが持ってプレーすれば、ファンのみなさんに届けられることも増えると思います。ぜひ期待してもらいたいですし、温かい声援で僕たちを支えてくださったら嬉しいです。
朝山選手:また新たな戦いがスタートします。これまで同様、チームの立ち上げから1年1年積み上げてきた土台を大切にしながら戦っていけたいと思っています。これから始まるB1リーグの新シーズン、一緒に戦いましょう。ご声援、よろしくお願いします!
朝山正悟
Shogo Asayama
1981年6月1日生、神奈川県出身。ポジション:SG(シューティングガード)/SF(スモールフォワード)。192cm、88kg。早稲田大学を卒業後、日立サンロッカーズ(現・サンロッカーズ渋谷)、オーエスジーフェニックス(現・三遠ネオフェニックス)、アイシンシーホース(現:シーホース三河)などを経て、2015年から広島ドラゴンフライズに加入。昨シーズンまでキャプテンとしてチームを引っ張ってきた。
辻直人
Naoto Tsuji
1989年9月8日生、大阪府出身。ポジション:SG(シューティングガード)。185cm、82kg。青山学院大学から東芝ブレイブサンダース(現:川崎ブレイブサンダース)に入団すると、1年目から主力として活躍。この年のルーキーオブザイヤーを獲得すると、それ以降もプレーオフMVP・ベスト5などのタイトルを受賞した。2013年には日本代表に初選出。2021年に広島ドラゴンフライズに移籍した。
【広島ドラゴンフライズ】
広島市を本拠地として2013年に設立されたプロバスケットボールクラブ。「広島に、バスケでつながる風景を。」をクラブスローガンとして掲げ、地域に根差したクラブづくりをしている。チーム名「広島ドラゴンフライズ」は、日本では宮島にのみ生息している“ミヤジマトンボ”に由来。古来より、トンボは、前に飛んで決して後ろに下がらない勇猛果敢な「勝ち虫」と言われ、勝利を呼ぶ縁起の良い虫とされている。昨季Bリーグ設立4季目にして、初の1部昇格を果たすも西地区最下位に終わった。今季は巻き返しに向けて、大幅な戦力補強を実施。生まれ変わったチームの躍進に期待が集まる。
本取材にご協力いただきました、広島ドラゴンフライズの関係者の皆様、本当にありがとうございました。
(文・インタビュー 大島/写真 チーム・B.LEAGUE 提供)