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スポーツのツボ ~アスリートが推す『観戦を10倍楽しむコツ』~【第23回】NTT西日本ブルーグランツ・広岡宙

プロ野球、Jリーグ、Bリーグをはじめ、多くのトップスポーツチームが活躍する広島県。スポーツの持つ力で県民を盛り上げようと立ち上がったのが、広島横断型スポーツ応援プロジェクト『Team WISH』です。Team WISHは、広島のトップスポーツチーム・アスリートの魅力を発信し、スポーツを通じて広島の皆さんにワクワクを届けるため、日々、競技・チーム・選手の魅力を発信しています。

本連載では「Team WISH」の25チームの選手・関係者がおすすめする、「ココさえ押さえておけば、初めての観戦でも楽しめる!」、そんな観戦ポイントをご紹介します!アスリートの目線で語られる、新たなスポーツの楽しみ方。観戦が10倍楽しくなる『スポーツのツボ』をぜひ覗いてみてください。

連載23回目の今回は、ソフトテニスの強豪・NTT西日本ブルーグランツ(以下、NTT)から、広岡宙(ひろおか・そら)選手が登場。実業団1年目の2018年から目標に定めてきた名古屋アジア大会を目前に控え、代表権を獲得に燃える広岡選手。競技生活は20年以上を数え、NTT在籍9年目を迎える広岡選手に、『ソフトテニス観戦を10倍楽しむツボ』を聞きました!

◆驚くようなプレーが見どころ! 選手の特徴を押さえるとより楽しめる

―ご両親の影響で3歳の時に初めてラケットを持ち、5歳から本格的に競技をスタートされたそうですね。すでに競技歴は20年以上になりますが、それだけ長く続けてこられた要因は何ですか?

「中学・高校の頃はしんどい練習をしているのに勝てない時期もあり、嫌になることもありました。ただ、やはり自分はソフトテニスが好きですし、周りから『上手くなったな』と言われることがうれしくて、それが続けている最大の理由かなと思います。社会人になってからも、最初の4年は全国でなかなか結果が残せなかったのですが、ある大会をきっかけに自信になって、それが今につながっていると思います。」

―ある大会というと?

「社会人1年目にインドネシア開催されたアジア競技大会で、同年代の林田リコ選手(韓国・スンチャン郡庁所属)が活躍する姿を見て、僕もここで日本代表として活躍したいと感じたんです。そこからしばらくはなかなか成績を残せなかったのですが、4年後の2022年、日本代表予選会で優勝して、自力で代表権を獲得できたことが自信につながりました。予選会の前週にあったナショナルチームの合宿では全然勝てなくて、『もう後がない。優勝しないと代表に入れない』という状況で本当に優勝できたので、自分も戦えるところまで来ているのかなと感じることができました。」

―実力は十分でも、勝ち負けがついてきていなかったのですね。所属するNTTは他を寄せつけない強さを誇りますが、その秘訣は何でしょうか。

「チームには上松(俊貴)選手という世界一のプレイヤーがいるので、『上松さんを倒すためにはどうしたらいいか』というチーム内競争がすごいんです(笑)。大会では他の実業団の選手や大学生とも対戦しますが、上位に行けばNTT同士で当たることもあるので、対策練習もしておかなければいけません。昨年は、大会前に自主練が多くて練習量が不十分だった選手もいたせいか、チームとして11月の天皇杯で優勝できなかったので、15連覇がかかったSTリーグ(日本国内の実業団チームが参加する、ソフトテニスの国内最高峰リーグ)を前に、もう一段ギアを上げました。そこからの1カ月、全体練習を多くしつつ自主練の時間も十分取った結果、STリーグは全勝優勝できたので、その取り組みが良かったのかなと思います。」

―そんなNTTの中で、広岡選手のアピールポイントはどんなところですか。

「緊張しやすいタイプなのですが、それがプレーに影響しないよう、自分で自分を鼓舞するために声を出しています。普段の喋りは苦手なのですが、コートに立ったら別人のような、獣になるような感じというか……。躍動感あるテニスが自分の特徴だと思います。」

―見る側もテンションが上がりそうです。他にもソフトテニス観戦を楽しめるポイントはありますか?

「今のソフトテニスは前衛・後衛が分かれていることが少なく、2人とも前に行くダブル前衛など、色々な陣形があります。スマッシュや威力あるボレーを見ることができるのもポイントだと思います。対戦相手との力量差があると、早ければ10〜15分で試合が終わってしまうこともありますが、トップレベル同士の対戦だと1時間くらい続くこともあり、『今のボールをなぜ取れるんだ』『なぜあそこに打てるんだ』と驚くようなプレーもたくさん見ることができます。」

―迫力がありそうですね。『10倍楽しむポイント』はありますか。

「そうですね……各選手の特徴を知って観戦すると、楽しく見ることができると思います。例えば、僕であれば声を出したアグレッシブなプレーが特徴ですし、同じNTTの内本(隆文)選手なら繊細なコントロール、上松選手なら多彩なプレーといった風に、それぞれの選手に特徴があります。注目ポイントを押さえて見るのがおすすめですね!」

◆8年越しで目指してきた名古屋アジア大会で2冠以上を獲ることが目標

―精鋭ぞろいのNTTですが、今年度の目標は何ですか。

「チームとしては、9月に名古屋で開催されるアジア競技大会の代表5人をNTTが独占して、金メダル獲得を獲得することが最大の目標です。僕としても、8年前からこの大会を目標にしていたので、もう一度自力で代表権を獲得して、個人種目と団体種目で2冠以上を取りたいと思っています。団体戦では、15連覇中のSTリーグはもちろん、国民スポーツ大会・全日本実業団ソフトテニス選手権大会・平和カップひろしま国際ソフトテニス大会(以下、平和カップ)でも向かってくる相手を跳ねのけて連覇を続けられるようにしたいです。個人戦では、もう一度天皇杯を獲りたいですね。」

―今年のアジア競技大会は、チームにも、広岡選手にとっても重要な位置付けなのですね。

「はい。そのためにも2025年は大事な年だと思っていたので、9月のアジア選手権では上松さんを倒して金メダルを獲り、『広岡は代表チームに欠かせない選手だ』と思ってもらいたかったんです。大会前から代表のコーチとマンツーマンで準備をてきたのですが、国際大会では初めての個人種目で、今までないぐらい緊張してラケットも振れなくて……2回戦負けしてしまいました。『こんなはずではなかったのに』と、翌日の国別対抗では手が震えてラケットを握れないくらいでした。国内の大会でも思うような成績が残せなくて、苦しい一年でした。ただ、今年も2月の合宿、3月の予選会、4月の代表選考会と、まだチャンスは残っています。苦しさもありますが、ずっと目標としてきたアジア競技大会に向けて全力で頑張っていきたいと思っています。」

―夢の舞台での活躍が楽しみです。広島でも、NTTの試合を生観戦できる機会があるとうれしいのですが……。

「残念ながら、3月に広島で開催された平和カップ以外に広島でNTTが出場する試合はありません。ただ、NTTは自社コートがなく、主に広島市民病院前の広島翔洋テニスコートや広島広域公園テニスコートで練習をしているので、見学は大歓迎です。僕も小さい頃にそうでしたが、憧れの選手がいることで頑張れると思います。上手い選手のプレーを間近で見て、『自分もこうなりたい!』と思う人が増えてくれたらうれしいですね。ぜひ気軽に見学に来てください。」

―練習見学ができるのはうれしいですね。では、最後に読者の方へメッセージをお願いします。

「僕たちのチームは『応援したくなるチーム』を目指しています。この選手、このチームを応援したいと思ってくれる人が増えればソフトテニスももっと普及できると思うので、練習や大会で、間近でプレーを見てくれる人が増えたら良いなと思っています。各大会で優勝できるように、チーム一丸となって、また自分も頑張っていくので、応援のほどよろしくお願いします。」

広岡宙選手が語る!『ソフトテニスのツボ』
多彩なの陣形から繰り出されるスマッシュや威力あるボレーと、あっと驚く華麗なプレーがツボ!

広岡宙(ひろおか・そら)
Sora Hirooka

1999年6月2日、兵庫県出身。
右利き、前衛。3歳の時、持ち手を切って短くした親のラケットを手にしたところから競技人生がスタート。全小、全中、インターハイでそれぞれ優勝を経験し、U-14から各カテゴリー日本代表として国際大会も経験。NTTではチーム初の高卒ルーキーとして苦戦した時期もあったものの、4年目の2022年には日本代表予選会で優勝して代表権を獲得し、2023年には天皇杯でも優勝するなど頭角を表した。2026年は8年越しの目標である名古屋アジア大会に向け、代表権獲得に燃える。


◆チーム情報/NTT西日本ブルーグランツ