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スポーツのツボ ~アスリートが推す『観戦を10倍楽しむコツ』~【第16回】マツダスカイアクティブズ広島・河野翼
プロ野球、Jリーグ、Bリーグをはじめ、多くのトップスポーツチームが活躍する広島県。スポーツの持つ力で県民を盛り上げようと立ち上がったのが、広島横断型スポーツ応援プロジェクト『Team WISH』です。Team WISHは、広島のトップスポーツチーム・アスリートの魅力を発信し、スポーツを通じて広島の皆さんにワクワクを届けるため、日々、競技・チーム・選手の魅力を発信しています。
本連載では「Team WISH」の25チームの選手・関係者がおすすめする、「ココさえ押さえておけば、初めての観戦でも楽しめる!」、そんな観戦ポイントをご紹介します!アスリートの目線で語られる、新たなスポーツの楽しみ方。観戦が10倍楽しくなる『スポーツのツボ』をぜひ覗いてみてください。

連載16回目の今回は、国内のラグビーリーグ・JAPAN RUGBY LEAGUE ONEに参戦するマツダスカイアクティブズ広島から、河野翼(こうの・つばさ)選手が登場。去る5月に閉幕した2024-25シーズン、ディビジョン3で優勝を果たしたマツダスカイアクティブズ広島。ライン際を駆け上がってトライ(得点)につなげるという重要な役割を担うウィング(WTB)として、12月に開幕する今季も、連覇、そしてディビジョン2昇格への貢献が期待される河野選手に、『ラグビー観戦を10倍楽しむツボ』を聞きました!
チームの勢いを上げるディフェンスと、相手を抜き去るアタックが持ち味
―ラグビー観戦を楽しむツボを教えていただく前に、まずは河野選手について伺いたいのですが、最初は兄弟の影響でラグビーを始めたそうですね。
「はい。10歳離れた兄がラグビーをしていていつも試合を見に行っていたので、自分もやりたいと思って小学校5年生の時に始めました。僕は地元が大阪府なのですが、兄が卒業した茨田中学校で、中学生に混じって特別に練習させてもらっていました。」

―小学校卒業後は、そのまま茨田中学校でプレーされたのですか。
「そうですね。ただ2年生の冬に、監督の勧めもあってさらに強い董中学校に転校しました。」
― その後も東海大学付属仰星高校、京都産業大学と、ラグビーの強豪校へ進まれたのですね。
「中学3年のとき大阪代表に選んでいただいて、そのおかげで東海大学付属仰星高校に入ることができました。大阪代表のメンバーがほとんど同じ高校に進んだので、また一緒にできるというワクワク感もありつつ、すごい選手ばかりなので壁にぶつかることも多かったです。その中で最終的に高校ラグビーのメンバーに選ばれて日本一という光景も見ることができたのですが、大学は、この仲間たちとは別のチームに行って勝つ!という気持ちで選びました。」
―大学卒業後もラグビーを続けようと思ったのは、何かきっかけがあったのでしょうか。
「大学4回生の時、全国大学ラグビー選手権中に、キャプテンの中川将弥(現・SHIMADZU Breakers(島津製作所))が選手生命に関わる大きなケガを負ってしまったんです。当時は『運命のタックル』として話題にもなりました。僕たちは『中川のためにも勝つぞ』と奮闘して、いいところまで行ったんですが最終的に負けてしまって……。それでも自分は大親友である中川のためにやりきるという思いがあったので、社会人でも活躍できる場があるなら行きたいと思っていました。」

―河野選手は、中川選手がケガをする瞬間も見ていたのですよね。怖くはなりませんでしたか。
「自分にも起こるかもしれないという怖さはありましたが、『中川のためにもやらなければいけない』と思いました。中川はリハビリを頑張って、多少は歩くこともできるようになり、先日は車で広島まで遊びにきてくれました。心が強い男なので負けていられません。くじけそうなときは、連絡して喝を入れてもらっています。」
―頼もしい存在ですね。マツダスカイアクティブズ広島(以下、マツダ)に入られたのは、どういった経緯だったのでしょうか。
「いくつかのチームが声をかけてくださったのですが、父がマツダの車を愛していたのと、父方の祖母が呉市の出身でずっと『広島に帰りたい』と言っていたこともあって、マツダを選びました。祖母はもう他界してしまったのですが、自分が代わりに広島で頑張りたいと思って。」
―チームの魅力はどんなところでしょうか。
「ひとことで言うと『チーム愛』です。すごく仲が良くて、一人ひとりがチームを愛して自分の役割を全うした上でラグビーをしているように思います。みんなで結束して、試合でも練習でも自分がどうプレーするべきかを考えながら、最終的に得点へつなげていくところが見どころかなと思います。」

―河野選手ご自身の魅力は?
「ハードタックラーと言いますか、チームの勢いを上げるようなディフェンスをするプレーヤーです。アタック面では、相手を揺さぶるステップが得意なので、独特なステップで抜き去って得点につなげるところが持ち味ですね。そういうところを見てもらえればと思います。」
◆ディビジョン3連覇と昇格を目指すチームと一緒に戦ってください
―ラグビーを観戦する際に、ここに注目したら面白いというポイントはありますか。
「まずは、両チームのフォワード選手が肩を組んで押し合い、ボールを奪い合う『スクラム』ですね。たくましい男同士のぶつかり合いは『男と男の戦い』という感じで魅力的だと思います。あとは、ボールを前に落としてはいけないというラグビー独特のルール『ノックフォワード』や、ワールドカップで有名になった『ジャッカル』(現在は『スティール』に変更)という、スクラムで倒れた選手からボールを奪うプレーなども見どころですね。サッカーやバスケットボールはゴール裏が好まれることもありますが、ラグビーは横から見る方がより迫力を感じられるし、楽しめると思うので、メインスタンドかバックスタンドでの観戦がおすすめです。」

―応援のコツなどはありますか?
「スタジアムではMCの掛け声やBGMにノったりしてもらうといいと思います。皆さんの応援の声は、ピッチにもよく聞こえるんですよ!苦しい場面で「頑張れ!」という声が聞こえると、『やってやるぞ!』という気持ちが更に強くなります。ぜひ大きな声援で一緒に戦ってもらえたら嬉しいです。試合の前後時間には、選手と一緒に楽しめるラグビー体験会もあります。また場外エリアではボールターゲットなど体験コーナーや、美味しいキッチンカーもたくさんあってお祭りみたいで楽しいですよ!キックオフの1時間前ぐらいに来ていただくと、試合以外にも色々楽しめると思います。」
―開幕が近づき、プレシーズンマッチも始まっていますが、チームの状況はいかがですか。
「9月に合宿を行なって修正点をしっかり直してきたので、チームの状態は良くなっていると思います。」
―具体的に、どのような点を修正されたのですか。
「ディフェンスですね。ディフェンスでプレッシャーをかけることで、相手のアタックラインを後退させ、ミスや反則を誘います。入替戦ではこの部分でディビジョン2との力の差を痛感しました。ディフェンスラインの強化により、チーム力を向上させます。」

―12月13日、前年チャンピオンとして新シーズン開幕戦を迎えます。目標をお聞かせください。
「追われる身としてプレッシャーは持ちつつも、萎縮せず、チャレンジャー精神で一戦一戦を大事に戦っていきたいと思います。その結果として、優勝はもちろん、ディビジョン2昇格を目標としてチームで掲げています。」
―その中でご自身の果たす役割はどんなことだと思われますか。
「まずは出場機会をつかんで一試合でも多く出て、ディフェンスでチームに貢献し、相手の反則を引き出す中で自分が最終的に得点につなげたいと思っています。」
―今季も楽しみです。最後に、読者のみなさんへのメッセージをお願いします。
「まずは、チームを日頃から応援してくださっているみなさん、本当にありがとうございます。苦しいシーズンが長く続いた中、熱い言葉を掛けてくださるファンの方がたくさんおられました。昨季はやっと優勝できたもののディビジョン2に上がることはできませんでしたが、ずっと応援してくださり、本当にありがとうございました。僕たちは、『応援してくださるみなさんは全員ファミリー』というイメージを持っているので、引き続きみんなで今シーズンを一緒に戦っていきたいと思います!」
河野翼選手が語る!『ラグビーのツボ』
たくましい男同士がぶつかり合う、スクラムがツボ!

河野翼(こうの・つばさ)
Tsubasa Kouno
1995年7月3日生、大阪府出身。
ポジションはウィング(WTB)。小学校5年生のとき兄の影響で競技を始め、中学時代、足の速さを買われてスタンドオフ(SO)からウィングへ転向した。2013年、東海大学付属仰星高校3年時に、第93回全国高等学校ラグビーフットボール大会にて自らトライも決めて優勝に貢献。京都産業大学を経て、2018年にマツダスカイアクティブズ広島へ加入した。
◆チーム情報/マツダスカイアクティブズ広島
1961年、マツダに誕生した社会人ラグビーチーム。2003年のトップリーグ開幕後はチーム名を『マツダブルーズーマーズ』とし、2部リーグに当たるトップキュウシュウAに所属。2007〜 2009年にかけては同リーグ3連覇を成し遂げた。2022年からは、国内のラグビーリーグ・JAPAN RUGBY LEAGUE ONEに参加。チーム名も『マツダスカイアクティブズ広島』へと改称し、チームカラーもダイナミックな赤/黒へと変更された。昨季はディビジョン3で初優勝を果たしたが、入れ替え戦で惜しくも敗れた。今季は連覇とディビジョン2への昇格を目指す。