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スポーツのツボ ~アスリートが推す『観戦を10倍楽しむコツ』~【第9回】男子ハンドボールチーム・安芸高田わくながハンドボールクラブ ・山﨑洸平
プロ野球、Jリーグ、Bリーグをはじめ、多くのトップスポーツチームが活躍する広島県。スポーツの持つ力で県民を盛り上げようと立ち上がったのが、広島横断型スポーツ応援プロジェクト『Team WISH』です。Team WISHは、広島のトップスポーツチーム・アスリートの魅力を発信し、スポーツを通じて広島の皆さんにワクワクを届けるため、日々、競技・チーム・選手の魅力を発信しています。
本連載では「Team WISH」の25チームの選手・関係者がおすすめする、「ココさえ押さえておけば、初めての観戦でも楽しめる!」、そんな観戦ポイントをご紹介します!アスリートの目線で語られる、新たなスポーツの楽しみ方。観戦が10倍楽しくなる『スポーツのツボ』をぜひ覗いてみてください。

連載9回目の今回は、男子ハンドボールチーム・安芸高田わくながハンドボールクラブから、山﨑洸平(やまざき・こうへい)選手が登場します。新体制となり、9月に開幕を控えたハンドボールリーグの新シーズン。チームの点取り屋として活躍する山﨑選手に、『ハンドボール観戦を10倍楽しむツボ』を聞いてきました!
ハンドボールを始めるきっかけとなったレジェンド選手と、同じコートでプレーすることに?!
―このインタビューでは、アスリートの視点で『競技の魅力』『推しポイント』をお伺いしています。今日は、山﨑選手の思うハンドボールの魅力を中心に教えてください。よろしくお願いします。
「はい、よろしくお願いします。」

―その前に、まずは山﨑選手について少しお伺いします。ポジションはどこですか?
「僕はレフトバック(以下、LB)といって、主に点を取るポジションです。小学6年生からハンドボールを始めたのですが、当時からずっとLBですね。」
―競技を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
「実は、元々はずっと水泳をやっていたんです。小学5年生くらいまでは続けていたんですよね。」
―そうだったんですか。では、ハンドボールに転向した理由は?
「僕の祖母が大分県に住んでいるのですが、大分県は男子ハンドボールの元代表・宮﨑大輔さんの出身地でもあるんです。当時は宮﨑選手の影響でハンドボールが盛り上がっていた頃で、祖母の地元に遊びに行くと宮﨑選手のポスターをよく見かけました。その時に、『この選手(宮﨑選手)になりたい!』と言っていたそうなんです。その後、地元の岐阜県に戻ってクラブチームに所属しました。」
―小学6年生から10年以上ハンドボールをプレーしてきているわけですが、競技人生のなかで印象的な出来事はありますか。
「先ほど宮﨑大輔さんに憧れてハンドボールを始めたと言いましたが、大学時代に、その宮﨑さんといっしょのチームでプレーする機会があったんです。」
―山﨑選手と宮﨑さんは、年齢でいうと20歳ほど差があると思うのですが……。どういった経緯でいっしょにプレーすることになったのでしょうか。

「僕は日体大出身なのですが、宮﨑さんも日体大の出身なんです。宮﨑さんは大学時代、2年間スペインのチームに練習生として派遣されていました。その期間は休学という扱いになっていたので、僕が日体大3年生のタイミングで復学されて、同じ学生としてプレーしたり、講義に出たりしていました。」
―ご自身がハンドボールを始めるきっかけになった、憧れの選手と同じチームでプレーする。なかなかない展開ですね。
「はい。まさか同じコートでハンドボールができるとは思っていませんでしたし、最初は『僕らとは全然レベルが違う』という印象でした。宮﨑さんの言葉一つひとつが自分にとってプラスになることばかりでしたね。ハンドボールは瞬時の判断が大切なスポーツなので、プレーの引き出しが多い方が有利なんです。やっぱり宮﨑さんは、そうした瞬間、瞬間のプレーの選択肢の多さもすごかったです。あの期間は、自分がハンドボールをやってきたなかでもさまざまな影響を与えてもらった、すごく貴重な時間だったと思います。」
ポイントは『6メートル』と『9メートル』。まずはルールを気にしすぎず、試合を楽しんで!
―ここからは、現在の山﨑選手ご自身についてお伺いします。山﨑選手が思う、ハンドボールの『ここが面白い』というポイントはどこでしょうか。
「ハンドボールは、1試合で両チーム合わせて60点、70点くらい得点が決まります。『3秒に1点決まる』と言われるくらい攻撃回数が多いですし、攻守の切り替えも見どころだと思います。」
―それだけ展開が早いということですね。初めて見る方は、どこを見たら良いのか迷ってしまいそうです。

「ハンドボールはジャンプしてシュートをするダイナミックさも特徴の一つです。すごく高く飛ぶ選手もたくさんいますし、いろいろな角度からシュートが飛んでくるので、シューター対ゴールキーパーの対決も見ていて面白いと思います。やっぱりシュートの瞬間が、一番魅力を感じていただけるのではないでしょうか。ハンドボールはルールが多く複雑で、最初は少し難しく感じるかもしれません。まずは一度試合を観戦しに来てもらって、スピード感を楽しんでもらえればと思います。ルールはそこから少しずつ覚えていけば大丈夫です。」
―最低限、『これだけ抑えておけば大丈夫』というルールはありますか?
「そうですね。コートの『6メーターライン』と『9メーターライン』は覚えておくと良いかも知れません。ハンドボールのコートは縦が40メートル、横が20メートルなのですが、そのなかに、ゴールキーパーだけが入れる6メートルの半円があります。これが『6メーターライン』です。この『6メーターライン』のなかには基本的にコートプレーヤー(ゴールキーパー以外の選手)は入れないのですが、ジャンプして侵入するのはOKなんです。なので、選手は6メーターラインの外側からジャンプをしてシュートを打ちます。6メーターラインの内側は空中であればプレーできるエリアなので、ゴール前のパスの応酬など、空中戦も迫力があって楽しんでもらえるのではないかと思います。」

―では、『9メーターライン』とは?
「反則があってフリースローが与えられたときには、『9メーターライン』の外側からフリースローを行います。ダブルドリブルや、ボールを保持して3歩以上歩いてはいけない(トラベリング)など、そういうルールはバスケットボールに少し似ているかも知れませんね。ボールの行き来も早いですし、ディフェンスの駆け引きもあります。サッカーのようにイエローカードやレッドカードもあって、レッドカードを受けると『2分間退場』になり、レッドカードを3枚受けるとその試合には出場できなくなってしまいます。選手交代の回数に制限もないので、それぞれのチームの戦術に合わせて選手が入れ替わったり、ゴールキーパーをあえて外して全員で攻撃するシーンがあったりと、見るポイントはたくさんあると思います。」
―なるほど。確かに最初は少し複雑かも知れませんが、奥が深そうで、ハマる方がいるのもわかる気がします。実際にわくながの試合を見に行きたい場合は、どうすればよいですか?
「わくながはチームとしてディフェンスを強化しているのですが、同時にスピーディなハンドボールを目指しています。ディフェンスからのスピーディなボール回しや、守備からの速攻(カウンター)というスタイルでやっているので、アグレッシブなディフェンスやスピーディな展開に注目してほしいです。9月には日本のハンドボールリーグである『リーグH(エイチ)』が開幕します。シーズン中にはホームゲームが約14試合あるので、ぜひチームのホームページやSNSをチェックしてみていただければと思います。」

―試合会場は、安芸高田市ですか?
「安芸高田の湧永満之記念体育館で開催されることもありますし、三次市や、広島市内であればマエダハウジング東区スポーツセンターでも開催しています。広島は野球はバスケ、サッカーなどメジャースポーツが多いなかでまだまだハンドボールはマイナーなスポーツだと思うので、僕たち自身も、もっとみなさんに知っていただけるように告知を頑張っていきたいです。一度見に来ていただければ、楽しさや面白さは伝わると思うので、ぜひ機会があれば足を運んで、応援に来ていただければと思います。」
―本日は、ありがとうございました!
「ありがとうございました!」
山﨑洸平選手が語る!『ハンドボールのツボ』
高いジャンプとシュートの瞬間は見どころ!ゴール前で繰り広がられる空中戦の迫力がツボ!
山﨑洸平(やまざき・こうへい)
Kohei Yamazaki

1999年9月10日生、岐阜県出身。小学6年からハンドボールを始め、日本体育大(日体大)では男子ハンドボールのレジェンド・宮﨑大輔と共にプレー。2021年に安芸高田わくながハンドボールクラブ(当時のチーム名は湧永製薬ハンドボール部)に加入すると、主に左サイドから得点を狙うポジション・LB(レフトバック)としてチームに貢献している。
◆チーム情報/安芸高田わくながハンドボールクラブ
1969年、湧永製薬を母体として創部された男子ハンドボールチーム。1976年から日本ハンドボールリーグに参戦。以来、一度も降格せず1部に所属し続ける強豪チームである。1983・1990年には、リーグ優勝・日本選手権優勝・社会人選手権優勝・国体優勝のグランドスラムも達成。全日本選手権で7連覇を達成するなど、男子ハンドボールチームの盟主として活躍している。2023-2024シーズンから、チーム名を本拠地である安芸高田市を冠した『安芸高田わくながハンドボールクラブ』に変更。