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スポーツのツボ ~アスリートが推す『観戦を10倍楽しむコツ』~【第5回】バドミントンS/Jリーグ・広島ガスバドミントン部・近藤七帆(こんどう・ななほ)
プロ野球、Jリーグ、Bリーグをはじめ、多くのトップスポーツチームが活躍する広島県。スポーツの持つ力で県民を盛り上げようと立ち上がったのが、広島横断型スポーツ応援プロジェクト『Team WISH』です。Team WISHは、広島のトップスポーツチーム・アスリートの魅力を発信し、スポーツを通じて広島の皆さんにワクワクを届けるため、日々、競技・チーム・選手の魅力を発信しています。
本連載では「Team WISH」の25チームの選手・関係者がおすすめする、「ココさえ押さえておけば、初めての観戦でも楽しめる!」、そんな観戦ポイントをご紹介します!アスリートの目線で語られる、新たなスポーツの楽しみ方。観戦が10倍楽しくなる『スポーツのツボ』をぜひ覗いてみてください。

連載5回目の今回は、バドミントンS/Jリーグで活躍する広島ガスバドミントン部から、近藤七帆(こんどう・ななほ)選手が登場!レクリエーションスポーツとしては誰もが経験したことがあるものの、競技となるとスピード感や迫力がまったく違うバドミントン。チーム在籍3年目にして今季から主将を務める近藤選手に、『バドミントン観戦を10倍楽しむツボ』を聞いてきました!
多彩なショットの打ち分けが鍵を握る、ハードなスポーツ
――近藤選手は今季から主将になられたそうですが、所属3年目での主将就任というのは一般的なのでしょうか。
「いえ、珍しいのではないかと思います。私自身も最初に聞いた時はとても驚きましたが、監督の『視野を広くして、より成長できるように』という思いで選んでいただいたと聞いています。」
―そうだったのですね。主将になって変わったことはありますか?
「役割としては特別変わったことはありませんが、これまで以上に周りに目を配って、全体を見るようになったと思います。」
―監督の狙い通り、成長されているわけですね。そもそもバトミントンを始めたきっかけは?
「姉が地元のクラブチームでバドミントンをしていたので、その影響が大きかったですね。実際にプレーするようになったのは7歳の時です。地元の愛媛はバドミントンが盛んで、周りに競技をしている人がたくさんいたことにも影響を受けたと思います。」

―では、ずっと競技を続けていこうと思ったきっかけは?
「小学校5〜6年生の頃から徐々に成績を残せるようになり、全国大会にも出場できるようになりました。その頃から『もっと頑張りたい』という気持ちになり、中学校でもバドミントンを続けることを決めました。」
―バトミントンは誰もが一度は経験したことがあるスポーツだと思いますが、競技となるとまったく印象が違うと感じます。競技としてのバドミントンの魅力は、どんなところですか?
「そうですね。みなさんが体育の授業や遊びでする時は、シャトルをラケットでポンポンと打ち合うイメージだと思いますが、競技としてのバドミントンは、わずか数秒のプレーの中に、『技』と『読み合い』の駆け引きが凝縮されています。同じようなフォームからでも、ラケットの角度を少し変えるだけで、シャトルの軌道が変わり、一瞬で相手の逆を突くことができます。こうした多彩なショットの打ち分けや駆け引きこそが、バドミントンの特徴であり、勝負の鍵と言えます。」
―スピードのあるシャトルを追ってコートを縦横無尽に動き回る。非常にタフな競技でもありますね。
「はい。長い試合では1時間近くかかることもあるので、ハードなスポーツだと思います。その分、ケガや故障の多い競技でもありますが、私は幸いなことにこれまで大きなケガをしたことがないので、そこは良かったかなと思っています。」
◆ダブルスはスピードとテンポ感、シングルスはラリーやショットの打ち分けが見どころ

―プレーしていて特に楽しいのは、どんなところですか。
「相手との駆け引きですね。相手の一手先を読んで、『次はこういうプレーをしよう』と狙ったことがうまくハマると、面白さを感じます。」
―では、ファンのみなさんがバドミントンを観戦するときに注目するべきポイントを挙げるとするなら、どこですか?
「バドミントンには2対2のダブルスと、1対1のシングルスがあります。特にダブルスはスピードがとても速いので、そのテンポ感が魅力の一つですね。先ほどもお話ししたようにバドミントンにはさまざまなショットがあるので、ショットのバリエーションに注目しながら見ると、より楽しめるのではないでしょうか。」
―近藤選手がご自身の『こんなプレーを見てほしい!』というところはありますか。
「私はシングルスのプレーヤーで、粘り強いプレーと、『カット』という、相手の前にシャトルを落とすショットを得意としています。バドミントンはとても駆け引きの多いスポーツなので、相手の逆サイドを突くような打ち分けや、配球も見てもらえたらと思います。」

―シングルスとダブルスでは、見どころや面白さが違うのでしょうか?
「シングルスはダブルスに比べるとテンポは落ちますが、その分ラリーが長くなるので、そこが見どころの一つだと思います。ショットのバリエーションを楽しむ、という点では、一つひとつのショットの打ち分けが分かりやすいのもシングルスですね。」
―テレビ観戦でも迫力十分ですが、生で見たらより面白いのでしょうね。広島で観戦できる機会はありますか?
「7月5・6日に、安佐南区スポーツセンターで『中国地区総合広島県予選会』があります(広島ガスバドミントン部の参加は6日のみ)。どなたでも予約なしで観戦できますし、試合日が近づいてきたらチームのSNSでも詳細をお知らせするので、ぜひ足を運んでもらえるとうれしいです。」

―試合以外で選手のみなさんに会える機会はありますか?
「地域貢献活動の一環として、地域の小学校やスポーツセンターなどで行われるバドミントン講習会で講師をしたり、トップス広島の一員としてひろしまフラワーフェスティバルなどのイベントに参加したりもしています。こちらもチームのSNSでお知らせしていますので、ぜひチェックしてみてください。」
―広島ガスバトミントン部の魅力を教えてください。
「若い選手が多いので、フレッシュさは見どころの一つだと思います。また、チームが主戦場にしている『S/Jリーグ』の試合では、小学生と手をつないで入場したり、音楽が大音量で流れる演出があったりと、華やかな雰囲気がある一方で、試合では勝ちにいく真剣な顔が見られるといった、そのギャップも魅力だと思います。」
―S/Jリーグは、11月からシーズンが開幕しますね。チーム、そして個人の目標を教えてください
「チームとしては、S/Jリーグでのトップ4入りを目指しています。簡単ではありませんが、選手一人ひとりがレベルアップしていけば達成できない目標ではないと思っているので、実現できるよう頑張りたいと思います。私個人としては、最近の大会ではシングルス戦でベスト8止まりが続いていますが、9月に行われる全日本社会人バドミントン選手権大会、そして個人戦の大会で最も大きい12月の全日本総合バドミントン選手権大会では、ベスト4入りを目標に、さらにレベルアップして挑みます。」
―近藤選手は、ナショナルチーム(日本代表チーム)入りも目指していると聞きました。
「そうですね。日本代表に選ばれるためには、さまざまな選考条件があります。その一つとして、世界ランキングや日本ランキングも評価の対象となります。今も海外の大会には出ていますが、大会ごとに獲得できるポイントが決まっていて、累積ポイントに応じて次に出場できる大会が決まります。私はまだカテゴリーの低い大会しか出場することができませんが、まずはその舞台でしっかり結果を残し、少しずつポイントを獲得することが必要です。着実にポイントを重ね、日本代表として戦える日を目指して取り組んでいきます。」
―ますますの飛躍が楽しみです。では最後に、応援してくれているみなさんにメッセージをお願いします。
「いつも応援いただきありがとうございます!S/Jリーグでのトップ4進出など、良い結果を残せるようにチーム全員で切磋琢磨していきますので、引き続き応援よろしくお願いします。」
近藤七帆選手が語る!『バドミントンのツボ』
様々なショットを駆使した、コート上の駆け引きがツボ!
近藤七帆(こんどう・ななほ)
Nanaho Kondo

2001年2月28日生、愛媛県出身。新居浜東高等学校を経て立命館大学へ進み、インカレ団体3位、シングルスベスト8など活躍。広島ガス入部後は、2023年全日本社会人、2024年全日本総合でもシングルスベスト8に入った。海外の試合にも出場し、モーリシャスインターナショナル2024ではシングルス優勝。2025年シーズンはチームとしてS/Jリーグトップ4を狙うとともに、個人としても国内外での結果を求め、さらなる飛躍を期す。
◆チーム情報/広島ガスバドミントン部
1995年創部。全国から強豪選手が集まり、2007年には中国地区実業団バドミントン選手権大会で11連覇を達成した。『このまち思い』をスローガンに、地域貢献活動も活発に行う。現在は、前身の『日本リーグ1部』から続いて開催されている国内最高峰リーグ『バドミントンS/Jリーグ』に参戦している。2025年シーズンは11月1日開幕予定。