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スポーツのツボ ~アスリートが推す『観戦を10倍楽しむコツ』~【第4回】女子サッカーWEリーグ・サンフレッチェ広島レジーナ・中嶋淑乃(なかしま・よしの)

プロ野球、Jリーグ、Bリーグをはじめ、多くのトップスポーツチームが活躍する広島県。スポーツの持つ力で県民を盛り上げようと立ち上がったのが、広島横断型スポーツ応援プロジェクト『Team WISH』です。Team WISHは、広島のトップスポーツチーム・アスリートの魅力を発信し、スポーツを通じて広島の皆さんにワクワクを届けるため、日々、競技・チーム・選手の魅力を発信しています。

本連載では「Team WISH」の25チームの選手・関係者がおすすめする、「ココさえ押さえておけば、初めての観戦でも楽しめる!」、そんな観戦ポイントをご紹介します!アスリートの目線で語られる、新たなスポーツの楽しみ方。観戦が10倍楽しくなる『スポーツのツボ』をぜひ覗いてみてください。

連載4回目の今回は、女子サッカーWEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)・サンフレッチェ広島レジーナから、中嶋淑乃(なかしま・よしの)選手が登場!2024-25シーズン、ホーム戦で2万人を超える観客動員を記録したサンフレッチェ広島レジーナ。1試合の平均入場者数も昨季から大幅に増え、目標を超える5,482人を記録しました。WEリーグがスタートした2021年から在籍し、チームとともに歩んできた中嶋選手に、『女子サッカー観戦を10倍楽しむツボ』を聞いてきました!

リーグ記録を大きく塗り替えた観客動員プロジェクト。大成功の秘密とは!?

―観客動員1万人を目指した『自由すぎる女王の大祭典』プロジェクト(3月8日、浦和レッズレディース戦)が大成功し、目標の倍以上となる2万156人の観客が詰め掛けました。以来、注目が高まっている手応えはありますか?

「そうですね。今シーズンは、『自由すぎる女王の大祭典』プロジェクトもありましたし、近賀ゆかり選手の引退もあって、たくさんの方がサンフレッチェ広島レジーナ(以下、レジーナ)に注目してくださっているという印象があります。」

―(取材は経済大フットボールパークで実施)今日のトレーニングもたくさんのファンが見学に来られていますね。今日の見学者数は、過去最高の150人超えを更新されたと聞きました。

「本当ですか。すごい!こんなに来てくれるのは2021年にチームが立ち上がって以来、初めてなので、すごくありがたいです。」

―『自由すぎる女王の大祭典』をきっかけに、レジーナを好きになった新しいファンもいると思います。これからも継続して試合を見に来てもらうために、どんなことが必要だと思いますか。

「まずは試合で勝つことです。試合に勝って、結果を残していくことで見に来てくださる方も増えると思います。試合以外では、1万人プロジェクトの時にSNSやTikTokに力を入れて発信を続けてきました。選手の素顔を見て好きになってくれた方もいると思うので、これからも継続的にたくさん発信していけたら良いですね。」

―選手のみなさんの積極的な発信が、プロジェクトの大成功につながったと思います。何度もミーティングを重ねたそうですが、中嶋選手がプロジェクトの中で1番こだわっていたことは何ですか?

「あのプロジェクトは選手たち自ら、『お祭り実行委員会』、『地域に根付く委員会』、『サポーター共同委員会』の3チームに分かれて実施しました。私は『お祭り実行委員会』のメンバーでしたが、特に『見に行く人の立場に立って、どうすればスタジアムに来てもらえるか』ということをたくさん考えました。スタジアムに来てくれた方に楽しんでもらえるように、スタジアムグルメにもこだわり頼まれたら動画にも積極的に出演し、プロジェクトの告知やチームの発信にも力を入れました。結果として、目標の倍以上の方に足を運んでいただけたのはすごくうれしかったですね。」

―まだ女子のサッカーを見たことがないという方に向けて、女子サッカーならではの面白さを教えていただけますか。

「いろいろありますが、女子は男子と比べると比較的ファウルが少なく、試合中の接触で倒れてもすぐに立ちあがってプレーを続行することが多い印象です。あまり試合が止まらず、流れで進んでいくところが特徴のひとつかもしれません。私個人としてはドリブルが自分の強みだと思っているので、ぜひドリブルにも注目してもらいたいです。」

◆選手の『人となり』を知れば、試合観戦はもっと面白くなるはず!

―ドリブルが中嶋選手の注目ポイントとのことですが、サッカーを始めた当初から得意だったのですか?

「サッカーを始めたのは小学3年生の頃でした。もともと新体操をしていたのですが、兄が所属していたサッカーチームで女子の人数が足りなくなって、人数合わせのような感じで誘われたのが最初です。ちょうどその頃、『新体操を辞めたいな……』と考えていて(笑)。そのままサッカーに移行する形で、本格的にプレーするようになりました。最初はドリブルどころか何もできなかったのですが、コーチがボールタッチの練習をたくさんさせてくれたので、それで他の選手よりも足元が少し上手くなったのかなと思っています。」

―中嶋選手がサッカーをしていて一番面白いと感じる瞬間は、どんな時ですか。

「ゴールを決めたときやチームが試合に勝ったときはもちろんですが、個人的にはアシストしたときもうれしいです。自分のアシストがゴールにつながったときは、『わっ!やった!』という気持ちになって、テンションも上がりますね。」

―中嶋選手は日本代表としても何度も選抜されていますが、これから女子サッカーがより注目されるために、代表選手として取り組んでいきたいことはありますか。

「代表として招集されるたびに、いつも『もっと上手くならなければ』と強く感じます。選手一人ひとりのレベルが上がって、もっと勝利という結果を残すことができれば注目してくださる方も増えると思います。私自身ももっとレベルアップして、代表での経験をチームに持ち帰った時に、チームの底上げにつながるような影響を与えられる存在になっていきたいです。」

―2024-25シーズンは5月に閉幕しましたが、8月には次のシーズンが始まります。これから試合に足を運ぶ方をさらに増やしていくために、『レジーナのココを見てほしい』というポイントはありますか。

「レジーナは選手一人ひとりがすごく個性的なんです。試合中のプレーももちろん見てもらいたいポイントですが、ピッチ外の選手たちも普段から面白いので、クラブのSNSやTikTokを見て、ぜひみんなの人となりを知ってほしいですね。選手の素顔を知ってもらえれば、試合もさらに楽しんでもらえるのではないかと思います。」

―SNSやTikTokでみなさんの人となりをチェックしつつ、開幕を楽しみに待ちたいと思います。本日はありがとうございました。

「ありがとうございました!」

中嶋淑乃選手が語る!『女子サッカーのツボ』
ファウルが少なく、倒れてもすぐ立ち上がる。流れの止まらない試合展開がツボ!

中嶋淑乃(なかしま・よしの)
Yoshino Nakashima

1999年7月27日生、熊本県出身。
ポジションはMF。2018年に東海大学付属熊本星翔高等学校を卒業後、なでしこリーグ2部・オルカ鴨川FCへ入団して3シーズン在籍。2020年には18試合出場して11得点を決め、なでしこリーグ2部の得点王に輝いた。2021年からサンフレッチェ広島レジーナ所属。2022年以降は毎年、日本代表にも選出されている。





◆チーム情報/サンフレッチェ広島レジーナ

2021年、サンフレッチェ広島に新設された女子プロサッカークラブ。同年発足したプロリーグ『WEリーグ』に加盟している。『レジーナ』とはイタリア語で『女王』を意味し、女王に輝くチームを目指したいという思いが込められている。2023-24WEリーグカップでチーム史上初となるタイトルを獲得し、2024-25シーズンに連覇を達成。2024年3月以降はエディオンピースウィング広島をホームスタジアムとして活動し、2025年3月8日、三菱重工浦和レッズレディース戦にて入場者数20,156人の記録を達成した。