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男女ハンドボールチームのキャプテンが登場!新リーグ地元開幕戦への思いを語る

広島県で活動するスポーツチームの見どころ、トピックスを、前後編に渡って紹介するスペシャル連載。今回は、新リーグ「リーグH」の開幕で注目を集める男子ハンドボールチーム『安芸高田わくながハンドボールクラブ』、女子ハンドボールチーム『イズミメイプルレッズ広島』から、それぞれキャプテンの後藤悟(ごとう さとる)選手と三橋未来(みつはし みき)選手が登場する。ともに広島県外出身のふたりが、スポーツをとりまく広島の環境について、そして、ホーム開幕戦となる男女共同開催試合の見どころを紹介する!(後編)

安芸高田わくながハンドボールクラブ・
後藤 悟選手
イズミメイプルレッズ広島・
三橋未来選手

◆スポーツを応援する熱がすごい!そして○○が多い……。広島で驚いたことと

―後藤選手は大分県、三橋選手は東京都と、おふたりとも県外のご出身です。広島のチームでプレーする中で、広島と他の地域で違いを感じることはありますか?

後藤「地域の違いというよりも、高校、大学、社会人と戦うカテゴリーが異なるので、そこの違いは感じました。中学、高校から大学に上がった時にも違いを感じましたし、大学生から実業団に上がるタイミングでも、『ハンドボール自体が全然違う』という印象がありましたね」

三橋「私も同じですね。地域差よりも、カテゴリーの差による違いの方が印象に残っている気がします。安芸高田わくながハンドボールクラブ(以下、わくなが)さんは、確か海外派遣の制度がありますよね。国内と海外の違いの差はどうですか」

後藤「僕はドイツのチームでプレーしたのですが、すごく良い経験になりました。身長2m近い選手が当たり前のようにいる環境で、自分がどうやって生き残っていくかを日々考えたのも良い経験になりましたね。日本は横パスでつないでいくプレーが多いのに対して、海外は縦の動きでディフェンスを押し込んでいくプレーが多いのも、実際に体験することで自分のスキルとして落とし込めたんじゃないかなと思います」

三橋「広島という地域に関する印象でいうと、『とにかくスポーツが盛ん!』ということですね。カープさんやサンフレンチェさんの試合がある日は街中がファンの方でいっぱいになっていて、県民の皆さんが全体で一つのチームを応援していることにすごく驚いた記憶があります」

後藤「わくながの本拠地は安芸高田市なので、なかなかそんな光景は見ることができないので、ちょっと羨ましいですね。まわりを見渡せば田んぼや川があって、夜になれば『鹿』がいっぱいいるので……。ただ、自然はいっぱいですし競技にも集中できる環境はすごく良いのかなと思います」

三橋「広島市内には鹿がいないので羨ましいですよ!」

後藤「(笑)」

―鹿が出るのは、自然豊かな安芸高田市ならではかもしれませんね。では、広島の食べ物で好きなものはありますか?

三橋「好きな食べ物は、やっぱり『お好み焼』ですね。広島に来てから、よく食べるようになりました」

後藤「僕はもともとあまり貝類を食べなかったのですが、『牡蠣』を食べるようになりましたね。広島で食べると、より美味しい気がしますね」

◆「リーグH」ホーム開幕戦は、男女共同開催!

―9月14日には、リーグ戦の地元開幕が控えています。『日本ハンドボールリーグ(JHL)』に代わる新リーグ『リーグH(エイチ)』のスタートでもありますね。

三橋「そうですね。チームとしては、日本一を目指して戦うことには変わりありませんが、『リーグH』1年目の年なので、昨シーズンよりもたくさんの方に会場に来ていただきたいです。日頃からハンドボールというスポーツを知ってもらうためにいろいろな活動をしていますが、実際に試合を観ていただければ、ハンドボールの楽しさや魅力がより伝わると思うので、今季はさらにハンドボールを盛り上げていくために、そのきっかけづくりがたくさんできたらと思います」

後藤「僕自身は、『リーグH』が始まるという実感がまだあまりないというのが正直な思いです。ただ、三橋選手が言うように、チームの特徴や良さを知ってもらって、たくさんの人にファンとなって応援してもらって、ハンドボールというスポーツ自体を盛り上げていければと思います」

―地元開幕戦は、男子の試合と女子の試合を同日、同会場で見られる『男女共同開催』となります。

三橋「昨シーズンは、わくながさんと同じ日に試合をすることはなかったですよね」

後藤「そうですね」

三橋「同じ県に男女のハンドボールチームがあるのは珍しいと思いますし、魅力だと思うんですよね。わくながさんと一緒にハンドボールの魅力を伝えていけたらうれしいですし、同じハンドボールでも、男子と女子ではスピードも迫力も全然違ってそれぞれの面白さがあると思うので、どちらの試合にも足を運んでいただけるようにしたいです。男女共同開催の試合は、そのための良いきっかけになると思っています。今シーズンの良いスタートが切れるようにしていきたいですね」

後藤「男女共同開催の試合があるというのが、ハンドボールならではですよね。男子も女子も同じ日に、同じ場所で試合を見ることができるというのはすごく楽しいと思うので、ぜひたくさんの人に足を運んでいただければと思います」

―では最後に、応援してくださる県民のみなさんへメッセージをお願いします。

三橋「今シーズンから女子のリーグは試合数が増えるので、広島で試合をする回数も増えます。これまでにハンドボールを見たことのある方はもちろん、ハンドボールというスポーツに触れてこなかった方たちにも来ていただき、魅力や楽しさを知ってもらえたらうれしいですね。観に来てくださる方に何かを伝えられるようなプレーをしたいと思っているので、ぜひ会場に来ていただきたいです」

後藤「チームとしては、新しいディフェンスの取り組みやオフェンスの戦術を取り入れているので、去年とはまた違ったわくながの面白さを知ってもらえると思います。『リーグH』ではプレーオフ枠が従来の4チームから6チームに増えたので、進出のチャンスも広がりました。今年は1試合1試合をしっかり勝ちきり、プレーオフで上位ともやりあえるようなチームになって優勝を目指して頑張っていきます。まずは14日、みなさんにぜひ会場に足を運んでいただければと思います」

―今シーズンの活躍、楽しみにしています。本日はありがとうございました。

三橋・後藤「ありがとうございました!」


後藤 悟
 Satoru Goto

1996年2月26日生、大分県出身
小学1年からハンドボールを始め、大阪体育大学では西日本学生ハンドボール選手権大会で最優秀選手賞に選出された。2018年、ワクナガレオリック(現:安芸高田わくながハンドボールクラブ)に加入し、同年、ハンドボール男子日本代表U−24チームに選出され銅メダル獲得に貢献。2019年から1年間、ワクナガからの出向でドイツのライン=ネッカー・レーヴェン2に所属。今季も引き続き、キャプテンに就任することが発表された。

◆チーム情報/安芸高田わくながハンドボールクラブ
1969年、湧永製薬を母体として創部された男子ハンドボールチーム。1976年から日本ハンドボールリーグに参戦。以来、一度も降格せず1部に所属し続ける強豪チームである。1983・1990年には、リーグ優勝・日本選手権優勝・社会人選手権優勝・国体優勝のグランドスラムも達成。全日本選手権で7連覇を達成するなど、男子ハンドボールチームの盟主として活躍している。


三橋未来
 Mitsuhashi Miki

1996年3月2日生、東京都出身
中学からハンドボールを始め、高校はインターハイ4度の優勝を誇る女子ハンドボールの強豪・佼成学園女子高校に進学。東京女子体育大学時代の2014年には日本代表U−18に選抜された。翌2019年からは2年連続で女子ジュニアアジア選手権U-19日本代表に選抜されている。東京女子体育大学の4季連続優勝に貢献し、自身も最優秀選手賞を受賞。2018年、日本ハンドボールリーグの広島メイプルレッズ(現:イズミメイプルレッズ広島)に加入した。

◆チーム情報/イズミメイプルレッズ広島
1993年、イズミ女子ハンドボール部として創部。創部3年目の1996年にリーグ初優勝を果たすと、1998年からは日本ハンドボールリーグで7連覇を達成。2001年にクラブチーム化すると、2004年には女子では3チーム目となるグランドスラム(四冠)(リーグ優勝・全日本実業団ハンドボール選手権大会(現:全日本社会人ハンドボール選手権大会)優勝・全日本総合選手権優勝・国体優勝)を成し遂げた。2019年に再び実業団チーム化。2024年、ハンドボール新リーグ『リーグH(エイチ)』の発足に合わせて、チーム名を『イズミメイプルレッズ広島』とした。