新たなスポーツの楽しみ方を提供する、広島横断型スポーツ応援プロジェクト、通称『Team WISH』。プロ野球やJリーグをはじめ、数多くのトップスポーツチームを有する広島県ならではの取り組みとして、日々、各チーム・選手の魅力を発信している。

本連載では、Team WISHに参加する全25チームの選手・関係者に、「自身にとって印象深い『数字』」をインタビュー。
競技人生における自慢の成績、好きな数字、ラッキーナンバー……数字にまつわる物語から、選手の新たな一面にフォーカスする。

連載第25回は、三原市を拠点として活動する女子ソフトボールチーム・小泉病院ブルーアローズから、佐々木彩葉（ささき　いろは）選手が登場。昨シーズン、セクション準優勝と躍進を遂げたチームを主将としてけん引する佐々木選手が大切にしている数字とは。ソフトボールとファンをつなぐ、参加型プロジェクトへの熱い思いも語ってもらった。

◆プラスになる可能性があれば「できることは何でもやっておく」のが佐々木流

ーこのインタビューは、さまざまな競技のアスリートに『数字』にまつわるエピソードをお伺いする連載です。佐々木選手にとって、最初に思い浮かぶ数字や思い入れのある数字があれば教えてください。

「一番身近にある数字は『168』です。私の名前が彩葉と書いてイロハと読むのですが、ゴロ合わせで小学生の頃からいろんなところに『168』と書いていました。占いに興味を持つようになって調べてみたら、たまたまそれが風水的にすごく強い数字らしくて……それを知ってから、余計によく使うようになりました」

ースポーツ選手にとっては背番号も身近な数字だと思いますが、３桁だと背番号にはしづらいですね。

「実は、もうひとつ大事な数字があります。それは『27』です。大学では卒業した先輩の中から、タイプが似ている人の番号を受け継いだのですが、私は同じショートのポジションを守っていた先輩から『27』を受け継ぐことになりました。これはたまたまなのですが、私の誕生日が11月27日なんです。ですので、『27』の背番号も受け継いだ時には縁を感じました。大学卒業後に入団した愛媛の実業団チームでは背番号を自分で選ぶことができたので、『27』番を選んで付けていました」

ー小泉病院ブルーアローズ（以下、ブルーアローズ）では、背番号10をつけていらっしゃいますね。

「去年からキャプテンをしているのですが、ソフトボールでば『キャプテンは10番を背負う』という決まりがあるんです。中学・高校も大学でもそうでしたし、これはブルーアローズ以外のどのチームも同じです。キャプテンになったら、それまで何番を付けていても、10番に変わります」

ーチームを背負って立つ、重みのある背番号なのですね。

「そうですね。今までキャプテンをやった経験がなかったので、『やっぱり10番は違うな』と感じています。誰が見ても『あ、あの人がキャプテンだ』とすぐわかりますし、特別な数字だと思います」

ー他に、印象的な数字や、大切にしている数字はありますか？

「私は縁起を担いだり、運が良くなるようなことをしたりするのが好きなのですが、すごくパワーのある数字だと聞いたので、去年から『369』という数字を大事にしています。バッティンググローブにも『369』と刺繍を入れているんです。絶対に効果があるとは言い切れないのですが、やって損をすることはありませんし『効果があればラッキー』という意識でやってきました。もし何かプラスになってくれるのであれば、それをソフトボールにつなげたいし、自分にできることは何でもやってきたいと思っています」

ー何か効果を感じるような出来事はありましたか？

「昨シーズン、初めて日本ソフトボールリーグ（JSL）で『ベスト9』に選ばれました。ベスト9は12チームから打率の高い野手10選手が選ばれるのですが、昨シーズンは3割8分9厘の成績を残すことができたんです。もともとバッティングがあまり得意ではなかったので、率も残せて、しかもリーグの上位10人に入れたのは、私にとっては出来過ぎに思えました。昨シーズンは初めてキャプテンを経験し、チームもリーグで準優勝。一昨年は12チーム中10位だったので、いろんなことがうまく行った年だったと思います」

ーしっかり積み上げてきたものがあったからこそ、数字の力が最後の一押しになったのかもしれませんね。

「そうですね。運が良かった、ツイているなと感じることもたくさんありました」

◆大躍進の昨年を超える、2024年シーズンの目標とチャレンジ

ー4月20日、2024年の日本女子ソフトボールリーグが開幕します。意気込みをお聞かせください。

「今シーズンは石川県で開幕戦を迎えます。震災からの復興が進む中なので複雑な思いがありますが、ソフトボールができることに感謝しながら戦いたいと思っています。去年は自分たちが掲げた目標をすべてクリアすることができたので、今年はそれ以上を目指したいです。JSLはプラチナセクションとサファイアセクションの2つのセクションに分かれていて、両セクションの1位が最終順位決定戦に進むことができます。まずはセクションを１位で通過して順位決定戦に進むことを目標に、そして、広島県として国体に出場することも目指しています」

ー大躍進の昨年から、さらに上を目指されるのですね。

「はい。そして今シーズンは、競技とは別に『チャレンジ10,000人とキャッチボール』という企画の達成も目標にしています。これはJSLが主催している企画で、キャッチボールを通して全国のソフトボールファンとコミュニケーションの機会を増やすことを目標に、試合会場や練習場で選手とファンでキャッチボールができるんです。動画や写真がJSLのWEBサイトやSNSで公開されるので、それさえ了承してもらえれば、どなたでもウェルカムです。年齢制限もないし、経験も不問。グローブをお持ちでなければお貸しすることもできます。練習試合のスケジュールはホームページに載っているので、ぜひチェックしてもらって、試合会場で『チャレンジ10,000人とキャッチボール』に参加していただけたらうれしいです」

佐々木彩葉選手の【My Favorite Numbers】
『168』『27』『369』