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My Favorite Numbers
〜数字が紐解く広島アスリートの素顔 〜
【第23回】ダイソー女子駅伝部・竹原さくら選手

新たなスポーツの楽しみ方を提供する、広島横断型スポーツ応援プロジェクト、通称『Team WISH』。プロ野球やJリーグをはじめ、数多くのトップスポーツチームを有する広島県ならではの取り組みとして、日々、各チーム・選手の魅力を発信している。

本連載では、Team WISHに参加する全25チームの選手・関係者に、「自身にとって印象深い『数字』」をインタビュー。競技人生における自慢の成績、好きな数字、ラッキーナンバー……数字にまつわる物語から、選手の新たな一面にフォーカスする。

連載第23回は、東広島を拠点に活動するダイソー女子駅伝部から、竹原さくら選手が登場。2024年1月に京都で開催された『皇后盃 第42回全国都道府県対抗女子駅伝競争大会』で広島チームとして出走し、3位入賞に貢献した竹原選手が、選手として思い入れのある数字を振り返る。竹原選手が目標として掲げ、ダイソーで見事に達成した『ある記録』、そして陸上選手として目指す数字とは。

◆兄の背番号『99』を受け継ぎ、小学生時代から好きだった駅伝の道へ

ーこのインタビューは、さまざまな競技のアスリートに『数字』にまつわるエピソードをお伺いする連載です。さっそくですが、竹原選手にとって思い入れのある数字といえば、何ですか?

「最初に思いつくのは、ゼッケン番号の『99』です。兄が小・中・高校とずっと野球をやっていて、『99』の背番号をつけていました。『99』は二桁の最後の数字で、〝ここから下がることはない、上を目指して這い上がっていくだけ〟という意味が込められていると聞いて、ずっとかっこいいなと思っていました。これは全くの偶然なのですが、私がダイソーに入社したときに頂いたゼッケン番号が『99』だったんです。すごくうれしくて、運命的な数字だなと感じました」

ー偶然とはいえ、お兄さんの背番号と同じ番号を受け継いだというのはドラマチックですね。

「最初は自分でも驚きました。『99』は自分にとって特別というか、すごく思い入れのある数字です」

ー駅伝のゼッケン番号は、一度決まったらそれがずっと竹原選手の番号になるのですか?

「大会によっては別のゼッケンをもらって走ることもありますが、基本的には、所属先でもらったゼッケンをつけて走ることが多いですね」

ー竹原選手が陸上競技に取り組んできた中で、印象に残っている数字はありますか?

「ダイソーに入社して2年目の秋に出した、5,000m『15』分台というタイムです。上には上がいるので自慢できる記録ではないかもしれませんが、陸上競技においては〝16分を切れるかどうか〟というラインはすごく大きいんです。『15』分台という記録は高校時代からずっと目標にしていた数字で、何回チャレンジしてもなかなか出せなかったので、やっと出すことができて自信にもつながりました」

ートレーニングや練習を積み重ねた末の、念願の『15』分台ということですね。

「そうですね。高校から積み上げてきたものもあると思いますが、ダイソーに入って再び1から競技に向き合って、練習を継続してきたことが結果につながったのかなと思います」

ー2024年1月の皇后杯第42回全国都道府県対抗女子駅伝大会は、広島県代表として2区を走りました。広島県は31年ぶりの3位という好成績でした。おめでとうございます。

「ありがとうございます。この結果は本当にすごくうれしかったので、これまでの競技を振り返っても3位という順位は自慢できる記録の一つだと思います。駅伝では沿道の方々が応援で背中を押してくださるので、自分が持っている力以上のものが出せると感じています。駅伝は、全員が〝チームのために〟という思いで力を合わせて戦うので、本当に力が湧いてきますし、それが駅伝の面白いところだと思っています」

◆チームで目指す駅伝優勝の夢と、踏み出そうとしている『42.195』kmへの一歩

ー大分県出身の竹原選手が広島県にあるダイソーに入社することになったのは、どのような経緯があったのでしょうか。

「高校1年生の頃からダイソーのスタッフさんたちが見てくださっていて、ずっと声をかけてくださっていました。当時ダイソー駅伝部は創部間もないチームだったので、私自身も新しいチームで1から頑張りたいという思いが強く、入社を決めました。ダイソーは練習環境も整っていて、選手の将来を考えてサポートしてくれるチームです。そのおかげで自己記録を1年目も2年目も更新できているので、自分に合っていると感じています」

ー竹原選手のこれからの目標についてお聞かせください。

「私はもともと、スピードを追求するより長い距離を走りたいという思いがありました。高校時代には指導者の先生方からも『マラソンに向いている』と言っていただけていたので、将来はマラソン選手として活躍できるようになりたいと思っています。駅伝は長くても1区間が10km程度なのですが、これから徐々に距離を伸ばしながら、マラソンに挑戦するための準備をしていこうと思っています。トラックレースである5,000mで日本選手権に出場したり、10,000mに挑戦してタイムを狙ったり、駅伝では区間賞や優勝を目指して頑張っていきたいです」

ー将来はマラソン選手も視野に入れているんですね。42.195kmを1人で走り切るというのは、本当にすごいことだと思います。

「マラソンの『42.195』kmは、ほかの競技にはない特徴ある数字だと思います。そんなに長い距離を追い込むのはマラソンだけだし、頑張った分だけ結果がついてくるものだと思うので、見ている人も感動するのではないでしょうか。チームのために走る駅伝と、自分と向き合い、自分と戦うマラソン。まったく違いますが、それぞれの面白さがあると思います」

ーダイソー女子駅伝部の、チームとしての目標を教えてください。

「チームとしては駅伝で優勝することが、最大の目標です。実業団の女子日本一決定戦といわれるクイーンズ駅伝(全日本実業団対抗女子駅伝競走大会)という大会があるのですが、昨年は予選会であるプリンセス駅伝で4秒差の17位になってしまい、本戦に出場することができませんでした。その悔しさはみんなが持っているので、駅伝でも個人でも活躍できるよう、切磋琢磨しながら練習やトレーニングを重ねています。ぜひ応援していただけたらうれしいです」

竹原さくら選手の【My Favorite Numbers】
『99』『15』『42.195』


竹原さくら

Sakura Takehara

2003年10月29日生、大分県出身。
小学生から陸上競技を始め、高校は大分県の駅伝の名門・大分東明高に進学。全校高等学校駅伝競走大会に3度出場し、2年時からはキャプテンに就任しチームをけん引した。卒業後は、ダイソー女子駅伝部のスカウトを受け広島へ。チームの駅伝日本一に貢献するべく日々トレーニングを積み重ねている。2024年1月の皇后盃では広島代表として出場。2区を走り、広島県代表の31年ぶりとなる3位入賞に貢献した。

◆チーム情報/ダイソー女子駅伝部
2019年4月創部。初代監督に世羅高校陸上部を男女合わせて6度優勝に導いた岩本真弥を招聘し、東広島市を拠点として主に中・長距離選手の育成を行っている。当初は部員わずか5名でスタートし、2021年10月に初の駅伝大会に参加。2021年からは、地域貢献活動の一環として一般参加可能な『ダイソーチャレンジ』という陸上競技長距離記録会を主催している。