• バドミントン
  • TeamWISH
  • 女性スポーツ
  • 取材記事

My Favorite Numbers
〜数字が紐解く広島アスリートの素顔 〜
【第18回】広島ガスバドミントン部・志波寿奈選手

新たなスポーツの楽しみ方を提供する、広島横断型スポーツ応援プロジェクト、通称『Team WISH』。プロ野球やJリーグをはじめ、数多くのトップスポーツチームを有する広島県ならではの取り組みとして、日々、各チーム・選手の魅力を発信している。

本連載では、Team WISHに参加する全25チームの選手・関係者に、「自身にとって印象深い『数字』」をインタビュー。
競技人生における自慢の成績、好きな数字、ラッキーナンバー……数字にまつわる物語から、選手の新たな一面にフォーカスする。

広島ガスバドミントン部・志波寿奈選手

連載第18回は、広島ガスバドミントン部から副主将・志波寿奈(しわ ひな)選手が登場。チームは現在バドミントンの国内最高峰リーグ『S/Jリーグ』に参戦中で、志波選手はダブルスの選手として活躍している。偶然の出会いからバドミントンをプレーするようになったという志波選手の語る、思い入れの深い数字とは。そして、一体感を武器に、リーグ上位入りを目指すチームの目指す数字についても語ってもらった。

◆競技を通じて実感できる、自身の成長がモチベーションに

―まずは、志波選手がバドミントンを始めたきっかけから教えていただけますか。

「小学生のころ、それまで習っていた水泳を辞めて『次にどんなスポーツをしようかな』と考えていた時に偶然テレビで目にしたのが、バドミントンのクラブチームの試合中継でした。その中継を見て、『私もやってみたい』と思ったのがきっかけです。本格的にプレーするようになったのは、小学1年生の頃でした」

―偶然の出会いでバドミントンを始められたということですが、大学はバドミントンの強豪校である龍谷大に進まれ、現在もバドミントン選手として活躍されています。今日まで競技を続けて来た、その原動力は何でしょうか。

「スポーツ全般に言えることだと思いますが、勝負の世界は本当に紙一重というか、対戦相手も同じくらい強い気持ちで戦っているので、勝つことや、勝ち続けることがすごく難しいものです。ただ、勝ち負けがあるからこそ、負けた悔しさを次につなげることができ、勝った時の喜びを味わうことができます。また、試合までの過程で自分の成長を感じることができるので、試合の勝敗も、そこにいたる練習もすべて自分の経験になるところが魅力の一つだと思っています」

―そのように考えるようになったのには、何かきっかけがあったのでしょうか?

「私は社会人3年目なのですが、これまでの競技人生を振り返ると、一度勝てても次の試合では勝てなかったり、逆に負けが続いてしまったり……と、苦しい時期がすごく長かったんです。やっと今、少しずつ自分の自信につながる試合ができるようになってきました。苦しい経験と、それを乗り越えた経験を積み重ねるうちに、すべてを自分の経験値にできるようになったのだと思っています」

―苦しい時期が続いていたというお話ですが、そうした時間を乗り越えられた秘訣は?

「バドミントンはシングルスとダブルスがあるのですが、私は主にダブルスを専門にしています。私が苦しい時はパートナーも同じく苦しんでいると思いますし、支えてくださるコーチや監督といった周りの人たちも同じ気持ちだと思うんです。ここまでなかなか結果が出ない時期がありましたが、そういう時に声をかけてくださった方たちの支えがあったからこそ、自分も『負けられない』という気持ちを持つことができました。周りの人の存在が、自分が頑張り続けられる理由の一つだと思います」

◆数字の持つ意味を知ることで、より愛着が湧いた背番号

―この連載は、「『数字』から紐解くアスリートの素顔」がテーマになっています。志波選手にとって、思い入れのある数字は何でしょうか。

「背番号でもある『8』です。チームから背番号をもらった時に、自分でもいろいろと調べたのですが、8にはすごくパワフルな意味が含まれていると知りました。幸福であったり、末広がりであったり、8には色々な意味がありますよね。そういう意味があるというところもすごく気に入っていて。数字の意味を知ることで、もっとこの番号を大切にしたいなという気持ちになりました」

―では、競技にまつわる数字や記録という部分で、志波選手の心に残っているものはありますか?

「印象に残っている記録というと、昨年の全日本総合バドミントン選手権大会のベスト『8』です。その試合をきっかけに自信をつけることができたので、『8』は私の中で一番良い数字だという印象があります」

―志波選手の競技生活においては、『8』が一つのカギになるのかもしれませんね。競技についてお伺いしていきます。バドミントンならではの特徴的なルールや、トレーニングはありますか?

「バドミントンのスマッシュの初速は、400キロを超える選手もいて、これは新幹線よりも早いと言われているそうです。それだけスピードがあるので、シャトルが近づいてきてから移動するのではもう遅く、相手が打つ瞬間、ラケットの面の向きを見て軌道を予測する必要があります。そのくらい速いので、線審(シャトルがコート内に入っているかどうかのイン・アウトを判定する審判)も判断ができないこともあるんです」

―審判も見逃してしまうんですか。

「そうなんです。シャトルのイン・アウトの判断が難しい時に線審がするポーズもあります。両手で目を覆うポーズなんですが、これは『判断できません』という意味で、その場合は、プレーのやり直しになります」

―「今のは入っていたはずなのに!」……と思うことはありませんか?

「そうですね……時々あります(笑)。ただ、最近のバドミントンのトップレベルの試合では『チャレンジ制度』が導入されていて、そうした難しいジャッジもVTRで検証できるようになっています」

◆国内最高峰の舞台で戦うチーム。目指すはリーグ4強入り

―それだけスピード感のある展開だと、反射神経や動体視力のトレーニングも重要になるのではないでしょうか。

「そうですね。ただ、どんなトレーニングをするにしても、まずは基礎となる『体』がしっかりしていなければいけません。基礎がしっかりしていなければシャトルに追いつくことができませんし、反射神経だけでなく、全ての要素が必要だと感じています。チームでは器具を使ったトレーニングも取り入れて、バドミントンに必要な反射神経や動体視力を鍛えています」

―先ほど、ダブルスを専門にされているとお話しされていましたが、ダブルスならではのおもしろさ、逆に難しさはありますか?

「ダブルスはふたりでプレーするので、人と人とのつながりというか、コミュニケーションがうまく取れていないといけません。ふたりの目標や、やりたいことが一致していないといけないというか……心が離れていたら難しい部分はありますね。難しいですが、それが魅力の一つでもあると感じています」

―バドミントンの選手として目標にしている数字や、目指したい記録を教えてください。

「S/Jリーグは日本の社会人バドミントンチーム対抗のリーグ戦で、以前は日本リーグと呼ばれていました。現在女子は12チームが参加していて、Sブロック6チーム、Jブロック6チームの2ブロックに分かれたリーグ戦を行います。その後、各ブロックそれぞれ上位2チームが決勝トーナメントに進むことができ、この4チームが『Top4』と呼ばれます。広島ガスバドミントン部としては、まずはこのTop4に入ることを目標の一つにしています。私個人としては、タイトルを獲得することが今の目標ですね。広島ガスバドミントン部は、試合に出る選手、出ない選手に関わらず、すごく一体感のあるチームです。チームの『11』人が生み出す一体感は他のチームにも負けない強みだと思っているので、全員で目標に向かって頑張っていきます。応援よろしくお願いします」

―志波選手にとって思い入れのある数字は、背番号である『8』、チームの目標であるTop『4』、そして一体感を生み出す『11』人のチームメイト、ということですね。

「そうですね。2月にはS/Jリーグの最終順位が決まる順位決定戦を控えています。次のシーズンにつながるような戦いをしたいと思っているので、応援していただけるととてもうれしいです」

―本日は、ありがとうございました。

「はい、ありがとうございました」

志波寿奈選手の【My Favorite Numbers】
『8』『4』『11』


志波寿奈

Hina Shiwa

1999年1月27日、佐賀県出身。
小学生からバドミントンを始め、佐賀女子高校時代に全国高校選抜ダブルス3位(2016年)に輝く。大学は関西の強豪・龍谷大学に進学し、2018年のインカレではダブルスで5位入賞を果たした。2021年、広島ガスバドミントン部加入。山藤千彩とダブルスを組み、2023年の全日本総合では自己最高となるベスト『8』に輝いた。チームの副主将も務めている。

◆広島ガスバドミントン部
1995年に創部し、現在は、国内最高峰リーグ『バドミントンS/Jリーグ』に参戦中。S/Jリーグは前身の『日本リーグ1部』に続き開催されている国内リーグ。広島ガスバドミントン部には全国から強豪選手が集まり、2007年には中国地区実業団バドミントン選手権大会で11連覇を達成。『このまち思い』をスローガンに、地域貢献活動も活発に行なっている。