• TeamWISH
  • 女性スポーツ
  • サッカー
  • 取材記事

My Favorite Numbers
〜数字が紐解く広島アスリートの素顔 〜
【第3回】サンフレッチェ広島レジーナ・増矢理花

新たなスポーツの楽しみ方を提供する、広島横断型スポーツ応援プロジェクト、通称『Team WISH』。プロ野球やJリーグをはじめ、数多くのトップスポーツチームを有する広島県ならではの取り組みとして、日々、各チーム・選手の魅力を発信している。

サンフレッチェ広島レジーナ・増矢理花選手

本連載では、Team WISHに参加する全25チームの選手・関係者に「自身にとって印象深い『数字』」をインタビュー。
競技人生における自慢の成績、好きな数字、ラッキーナンバー……数字にまつわる物語から、選手の新たな一面にフォーカスする。

連載第3回目は、女子プロサッカーリーグ・WEリーグに所属する『サンフレッチェ広島レジーナ』から、(ます)()()()選手が登場。日本代表経験も持つ増矢選手の心に残る『数字』を紐解いていく。

◆世界初!?男女チームの背番号『8』による“同日・同時刻ゴール”

ーこの連載では、アスリートのみなさんに『思い入れのある数字』『記憶に残る数字』をお伺いしています。サンフレッチェ広島レジーナでMFとして活躍される増矢理花選手の、思い入れのある数字は何でしょうか。

「誕生日が9月14日なので、誕生月の『9』という数字には思い入れがありますね。2014年から所属していたINAC神戸レオネッサでは、2017年シーズンから背番号『9』をつけていたこともあります。また、私は祖母が大好きなのですが、祖母も9月生まれなんです。大好きなおばあちゃんにも縁のある数字という意味で、『9』という背番号をつけることになった時は、すごくうれしかったことを覚えています」

 

ー背番号『9』をつけることになった理由は何だったのでしょうか。

「その時は、たまたま『9』が空いたので私がつけることになりました。広島に移籍してからは背番号『8』をつけていますが、これはクラブ側から『つけてほしい』と言っていただいたので、『8』をつけさせていただくようになりました。トップチームでは、森﨑和幸クラブ・リレーションズ・マネージャーが現役時代につけていた背番号ですよね。レジーナに来て、8番を背負う重みというか……広島にとって特別な数字をつけさせていただいているということを改めて感じて、今では『8』も思い入れのある数字になりました」

ー背番号『8』は、今シーズンからトップチームの川村拓夢選手がつけている背番号でもあります。今シーズンは、レジーナとトップチームの背番号『8』の選手が、同日・ほぼ同時刻にゴールを決めるという試合もありました。

「3月26日のINAC神戸レオネッサ戦ですね(トップチームはルヴァン杯・グループステージ第2節 名古屋グランパス戦)。あの試合では、後半27分に今季リーグ戦初得点を挙げることができました。川村選手も同じくらいの時刻にゴールを決めていたということは、バスのなかで知りました。そういう経験はこれまでなかったですし、ゴール時間を特に気にしたこともなかったのですが、周りからも『すごいね!』と声をかけてもらえてとても盛り上がりましたね」

 

ー同じ背番号『8』がほぼ同じ時刻にゴールというのは、世界で初めてではないかと言われていました。

「そうですよね。私自身もすごく驚きました」

◆とにかく負けず嫌いだった幼少期。特にこだわっていた数字は……?

ーここまで、背番号にまつわる数字が二つ出てきましたが、そのほかに、増矢選手の印象深い数字はありますか?

「『1』ですね。小さい頃から、とにかく『1番が良い!』という子どもでした。マラソン大会でもいつも1番を目指していましたし、図工の授業とかで、絵を描いたり工作をしたりするじゃないですか。そういう時でも、誰よりも先に完成させたいと思うタイプでした」

ー『1番最初に完成させたい』ということですか?

「そうです、そうです。そういうものって、普通は時間をかけてつくるものじゃないですか。そんな時でも、とにかく『1番』が良くて誰よりも先に終わらせていました(笑)。昔は特に負けず嫌いだったので、なんでも自分が『1』番になれるようにこだわっていましたね」

ーそれでは最後に、プレーに関する数字についてお伺いします。増矢選手がプロサッカー選手として、具体的に目標にしている数字はありますか?

「あまり数字の部分は意識をしていないのですが、『ゴールとアシストで二桁』というお話は、よくさせていただいています。今年からファンのみなさんと直接触れ合える機会が増えていますし、イベントやサッカー教室に呼んでいただくことも増えてきています。応援してくださるみなさんに直接感謝を伝える場であったり、お話できる場があるというのは、選手としてもとても楽しいので、支えてくださるみなさんのためにも、チームのためにも、10ゴール、10アシスト。まずはそうしたところから積み上げていければと思っています」

ー増矢選手にとって印象深い数字は、誕生月である『9』、現在の背番号『8』、そしてナンバーワンを目指すという意味での『1』ということですね。

「そうですね。その3つは、私にとってすごく印象深い数字です」

ーレジーナの背番号『8』の活躍に、これからも注目させていただきたいと思います。本日はありがとうございました。

「ありがとうございました」

【増矢理花のMy Favorite Numbers】
『9』『8』『1』


増矢理花

Rika Masuya

1995年9月14日生、徳島県出身
サッカー選手の養成を目的として創設された、JFAアカデミー福島の3期生。2011年にはU-16日本女子代表に選出されAFC U-16女子選手権2011に出場。2012年にはU-17女子W杯に出場し、2得点を挙げる活躍を見せた。2014年からINAC神戸レオネッサに加入。同年、なでしこジャパンに初選出された。国際Aマッチ27試合に出場し6得点。2019年にはなでしこリーグ通算150試合出場を達成している。WEリーグ元年の2021年、サンフレッチェ広島レジーナに完全移籍。

◆チーム情報/サンフレッチェ広島レジーナ
サンフレッチェ広島に新設された、女子プロサッカークラブ。広島市をホームタウンとし、2021年に発足したプロリーグ『WEリーグ』に加盟している。2022-23シーズン時点でWEリーグに加盟している11チームのうち、前身となるチームを持たないチームは国内ではレジーナが初。世代別代表経験のある増矢のほか、第6回FIFA女子W杯で優勝経験を持つ近賀ゆかり、福元美穂らが所属している。『レジーナ』とはイタリア語で『女王』を意味し、女王に輝くチームを目指したいという思いが込められている。2024年シーズンからは、サッカー新スタジアムで試合を行うことも決定している。