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明日への元気をくれる広島県~スポーツから発信する広島ブランド~【後編】

皆さん、こんにちは。広島県のチーフ・ブランディング・オフィサー(CBO)を務めています、山田(やまだ)(せい)()です。

先週に引き続き、後編として、広島の強みであるスポーツが持つ力についてお話します。

活気あるスポーツがもたらす広島の強み

皆さんは、広島県にどんなイメージをお持ちでしょうか。原爆ドーム、宮島、お好み焼きなど、さまざまな場所や食べ物などが浮かんでくるでしょう。その中に、広島東洋カープや、サンフレッチェ広島と答える人も大多数いるのではないでしょうか。これこそが、広島県における強みの1つです。

(赤いユニフォームを着用する多くのカープファン)

前編でも触れましたが、元気とスポーツは直結します。広島は、トップカテゴリーとして組織化されているチームがとても多いのが特徴です。また、平成28年社会生活基本調査(総務省統計局)の結果によると、広島県は「スポーツ観覧」の都道府県別行動者率(10歳以上人口のうち過去1年間にスポーツ観戦をした人の割合)で第1位となっています。(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/kouhou/201802-number.html)このあらゆるデータから、広島県がスポーツに関与する割合が非常に高いことがわかります。

更に広島のスポーツが素晴らしいといえるのは、トップスポーツとマイノリティスポーツ両方共に盛況な点です。例えば女子野球。広島は最初に力を入れて取り組んだファーストムーバーという強さがあります。今後広島県は、女子野球の聖地と呼ばれるようになるかもしれません。ハンドボールやホッケーに於いても同様です。

(多くのサンフレサポーターが訪れるエディオンスタジアム)

また、選手やチームと街の人々の距離が大変近いのも広島の特徴です。近年、サンフレッチェ広島は防災強化のイベントや防災グッズの発売をしています。一見無関係だと思われるスポーツと防災ですが、サンフレッチェ広島という強いコンテンツを使って防災意識を高める取り組みは、広島だからできることだと思います。そして、カープのレプリカユニフォームをまるで普段着のように皆さんが着用している姿も、他県の人から見ると衝撃的です。広島カープが県民のアイデンティティとなり、赤いユニフォームが人を迎える際の正装になっているのかもしれません。

スポーツはエネルギーの塊です。周りの人に元気を与えることもできるし、自分自身が元気をもらえます。広島は、スポーツをプレーするエネルギーはもちろん、応援するエネルギーもすごい熱量です。こんなに身近にレベルの高いスポーツを楽しめる県は他にありません。広島県が持つ、恵まれたスポーツ環境や可能性について再認識し、スポーツが広島というブランドにとっていかに大切かを、ぜひ皆さんと一緒に考えていきたいのです。

固定概念に囚われない視点で、明日への元気をくれる広島を目指す

SAHは、広島県庁スポーツ推進課内のスポーツコミッションです。民間から、経営戦略などの専門知識を持つ神田康範さんを代表に迎え、その知恵を借りながら、これまで前例のない活動や施策を展開しています。与党内野党のような体制で、きっと高い壁にも、多々ぶち当たっていることでしょう。

世の中を変えるのは、並大抵のことではありません。新しい挑戦には、常に壁が立ちはだかります。例えば、地域活性化の成功法則として言われてきた「よそ者、若者、ばか者」という論があります。田舎を変えるのはよそから来た人、若い人、常識に囚われず、周囲の反対を押し切ってでも挑戦するという意味でのばか者だ、という意味です。しかし、私が創った論は別にあります。

「よそ者はそのうち地元の人になる。若者もいつか歳をとる。唯一ばか者だけがずっとばかでいつづけられる」
「こんな世の中になったらいい」と照れずに理想を言い続け、固定概念に囚われない視点をもった人が、イノベーションを起こすと私は考えています。アップルの創業者、スティーブ・ジョブズが2005年、スタンフォード大学の卒業式に招かれスピーチした時の締めで述べた言葉、「stay hungry、stay foolish」(いつまでも飢えていろ、バカでいろ)というフレーズも同様です。いつまでも青臭く、常識に囚われることなく、奇想天外な発想を持つこと。このスタンスがきっと、広島のスポーツに革命をもたらしてくれるでしょう。

SAHも、ブランド・コミュニケーション戦略チームも、広島県民の豊かさや幸せを実現することが最終的な上位目標です。スポーツという広島県が持つ最大の強みを活かし、広島県の評判をあげ、県民の豊かさに繋げる未来を創ることを重要視しています。
これからも県民の皆さんと一緒に、より良い広島の未来を探り「明日への元気をくれる広島」を創っていきたいと思います。


山田 精二

Yamada Seiji

広島県CBO兼キリンビール企画部 部長。1989年キリンビール(株)に入社。酒類、飲料のマーケティング部門を歴任。多くの商品、キャンペーン、店舗開発等を手掛ける。2020年4月から、広島県のCBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)も務める。


(コラムコーディネート/大須賀あい)