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明日への元気をくれる広島県~スポーツから発信する広島ブランド~【前編】

(山田CBO:2列目右から2番目)

はじめまして。広島県のチーフ・ブランディング・オフィサー(CBO)を務めています、山田やまだせいです。

最初に私自身について、そして、私が深く関わっている広島県ブランド・コミュニケーション戦略チームについてお話させてください。

島根県で育ち、高校は広島に進学、大学から就職を含め東京暮らしが長かった私は、2年前、34年ぶりに広島県に戻ってきました。13歳から始めたバスケットボールはコロナ禍でプレーをストップしてしまいましたが、それまでは会社のチームなどでプレーしていましたし、定期的に広島ドラゴンフライズの試合に足を運ぶほど、スポーツが大好きです。この度、慣れ親しんだ広島という地域に、新たな形で貢献できることを大変嬉しく思っています。

他の地域には真似できない広島ならではの施策を推進

2020年、広島県に「ブランド・コミュニケーション戦略チーム」が誕生しました。簡潔に言うと、国内外から選ばれる広島県を実現するため、広島県の良い評判を作っていくためにどうしたらいいかを考え、実行していく組織です。

県庁はもちろん、県民の皆さま、企業の皆さま、そして経済団体やスポーツ団体の皆さまと一緒に、広島の素晴らしさを磨き良い評価をいただくため、さまざまな施策を企てています。そして、県民の皆様にも、広島の素晴らしさを再認識してもらうよう努めています。

私の仕事は、主に広島県におけるブランドの価値向上に向け、統一した取り組みを推進していくことです。そしてマーケティングの専門家として、マーケティングの技術が使える行政職員の育成にも取り組んでいます。
 
キリンビール株式会社に長く勤め、お酒や飲料のマーケティング部門に属し、さまざまな事業の開拓に努めてきましたが、これまでの現場で培ってきたリアルなマーケティングの視点から、広島県、そして広島のスポーツについてお話したいと思います。

世界が驚く戦後の復興、広島は明日への元気をくれるところ

広島が誇るしまなみの風景

広島で働くことになった私は、久しぶりに広島の街を見渡してみました。良い意味で「思ったより街が変わっていない」というのが最初の印象です。もちろん街の景色は変わっていますが、広島に流れる「緑溢れる国際平和都市」という精神性は変わっていないと感じました。

77年前、原子爆弾が投下され、壊滅状態だった広島は、見事な復興を遂げました。広島電鉄は、原爆投下の3日後に市内電車の運行を始め、マツダも、わずか4カ月後にオート三輪の生産を再開し、地元の復興に大きく貢献しました。キリンビールは、現在の広島パルコの場所にあったキリンビアホールを4カ月後に再開させました。これは、広島が持つエネルギー、つまり元気があってこそ成し得たことです。

広島名物“お好み焼き”

広島は被爆の街であると共に復興の街です。悲惨な状況を乗り越え、再生してきた歴史やエネルギーに触れると元気をもらえる街が広島だといえるでしょう。あわせて広島全体を考えてみると、復興のシンボルはいたるところにあります。福山のバラ、お好み焼き、カープ、そして、我々の誇る、実り多い山々や、多島美の景色、美味しい食事も人々に元気を与えてくれます。

そこで私たちは、「ENERGY OF PEACE ひろしま」を活動のシンボルとして掲げました。PEACEは広島が持つ、気候や人、風土という精神的な穏やかさを指します。この穏やかさと平和があるからこそ、広島を訪れた人はエネルギーを感じてもらえるのではないか、と考えました。端的に言うと「広島は元気をくれるところ」であり、広島に住む人、観光で訪れる人、広島に関わる人全てに、明日へ向かう元気を提供していきたいのです。

 元気とスポーツは直結します。後編では、広島の強みであるスポーツが持つ力についてお話します。


山田 精二

Yamada Seiji

広島県CBO兼キリンビール企画部 部長。1989年キリンビール(株)に入社。酒類、飲料のマーケティング部門を歴任。多くの商品、キャンペーン、店舗開発等を手掛ける。2020年4月から、広島県のCBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)も務める。


(コラムコーディネート/大須賀あい)