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ラグビーW杯の感動を再び。地域に根付いたマツダラグビー部の飽くなき挑戦

 マツダブルーズーマーズ

1963年創部。56年の歴史が息づくマツダラグビー部「マツダブルーズーマーズ」。チーム名の由来はコーポレートカラーの「BLUE(青)」と、ブランドエッセンス「ZOOM-ZOOM」を組み合わせた造語で、ラグビートップリーグの第2部に相当する「トップチャレンジリーグ」に所属する社会人チームだ。

2021年1月からはトップチャレンジリーグの新シーズンが開幕。上位4位までに入るとトップリーグ16チームに交じってセカンドステージ、決勝トーナメントへ進出できる。

また、2021年度(2022年1月)からは、ラグビー新リーグが創設されるなど、今後の躍進に向け、日々鍛錬を重ねているマツダブルーズーマーズの主将・﨑口銀二朗(さきぐちぎんじろう)選手に話を伺った。

仕事をしていないと気付けなかった視点をプレーにも生かしていきたい

――ラグビーを始めたきっかけを教えてください――

始めたのは小学校1年生からです。父親がラグビーをしていたこともあり、近所にできたラグビースクールのチラシを見て行ったのがきっかけです。そこでラグビーを体験して、楽しかったのでやってみたいなと思いました。

――体と体が激しくぶつかり合うスポーツですが怖さはなかったのでしょうか?――

不思議と恐怖心はなかったですね。こう言うと強靭な体をイメージされるかもしれませんが、小学校の頃からあまり体は大きくなくて、今のチームでも体格的には小さい部類に入ります。でも小学校の頃からタックルは好きな方でした。

――ラグビーを辞めて他のスポーツをしたいと思ったことは?――

今年で26歳なので20年近くラグビーをやっていることになりますが、辞めたいと思ったことは一度もないですね。

――同志社大学からマツダブルーズーマーズに入団。このチームを選んだ理由を教えてください――

社会人になるにあたって高いレベルでラグビーができ、仕事もしっかりやりたいと思っていたところ、マツダでは仕事をほぼフルタイムのような形でさせてもらえて、チームとしても「トップチャレンジリーグ」に所属していたので魅力を感じました。

ラグビーと商品マーケティング部の仕事を両立

――普段はどんな仕事をされているのでしょうか?――

商品マーケティング部に所属しています。新商品を販売するにあたり、それぞれのお客様について、どんなカスタマイズがいいか、どれくらいの価格帯であれば受け入れてもらえるかを他社の製品と比較しながら、自社のPRポイントを考える仕事をしています。

――どのようなスケジュールで1日を過ごしておられますか?――

月・水・金は9時から17時まで仕事をして、そのあと体育館でウエートトレーニングを行います。火・木はグラウンドが使えるので、9時から15時まで仕事をして、グラウンドに移動して全体練習を行います。土曜日もグラウンドで午前中は練習をしています。

――仕事と競技を両立するコツを教えてください――

毎日練習で帰宅が遅くなるので朝起きるのがしんどい日もありますが、朝を乗り切ったら大丈夫です(笑)。仕事でもしっかりと役目を与えていただいているので、ラグビーをしているからという理由で迷惑はかけられません。仕事は仕事、ラグビーはラグビーでしっかりと切り替えて取り組んでいます。

――仕事面では、どんな時に達成感を感じますか?――

仕事柄、様々なプレゼンをすることがあるのですが、それがうまくいくと達成感を感じますね。

――仕事で得たことが、ラグビーにも活きていると感じていますか?――

ラグビーだけしていたら、きっと気づけていなかった「視点」を、仕事を通じて学ばせてもらっています。この会社に入り視野が広がったと感じることがあるので、ラグビーはもちろん、仕事や人生にも活かしていきたいと思っています。

――多忙な毎日だと思いますが、リフレッシュ法などはありますか?――

家でまったりすることですかね。じつはスイーツ好きでして(笑)。家族でお菓子作りをすることもあります。

細かいルールは気にせず、まずは一度ラグビーの空間を体感してほしい

――ラグビーの面白さ、魅力を教えてください――

個人的にはチームで戦うところが一番の魅力だと思います。チームメートがいるから自分もがんばろうと思いますし、もしラグビーが個人種目の競技であればここまで続けることができていなかったと思います。

――2019年に日本で開催された、ラグビーのW杯以降、ラグビーに興味を持つ人が増えた実感はありますか?――

それは感じますね。昨年の「トップチャレンジリーグ」は、W杯が終わってから開幕したのですが、試合が行われた広島県総合グランド(広島市西区観音新町)が、一昨年に比べて倍以上のお客さんで埋まったんです。小さなお子さんも数多く観戦に来てくれていて、それはもう嬉しかったですね。

――2015年のW杯(イングランド開催)で強豪の南アフリカを破った試合は、世界スポーツ史上最大の番狂わせと言われました――

すごかったですね。当時は大学生でしたが、僕も大きなパワーをもらいました。それ以降、メディアにラグビー選手が出ることが増えたと思います。それもこれも、日本が“勝った”からこそ。そう考えると、勝つことはとても大切だと改めて感じますね。

――まだラグビーの試合を見たことがない人にアドバイスをお願いしたいのですが、観戦時“ここを楽しんでほしい”という注目ポイントを教えてください――

ラグビーの一番の醍醐味は、人と人の体がぶつかり合うシチュエーションだと思っています。テレビでも迫力がありますが、会場に来てもらった方がさらに迫力を感じてもらえると思います。試合が進むごとに激しさも増すので、ぜひ一度リアルを体感してもらいたいですね。

――スピーディーな試合展開も見どころの一つですね――

そうですね。攻めて守っての攻防がずっと続くので、最後まで目が離せないと思います。ダイナミックに展開が移り変わるところは、初めてラグビーを見る方にもきっと楽しんでもらえる部分だと思います。

観戦するにあたり、最初はルールを2つ覚えるだけでOK

――一方でラグビーはルールが難しいという声もよく聞きます――

“ボールを前に落としたらダメ”、“ボールを前に投げたらダメ”。最初はこの2つさえ知っていたらOKです。まずは細かいルールなんて気にせず、楽しんでもらいたいですね。この2つさえ覚えていたら、ひと通り試合は見ることができますから。一度見ていただき、もし興味が湧いたら、そこで初めて細かいルールを調べてみてもらえたらと思います。

――2021年1月17日から「トップチャレンジリーグ」が開幕します(マツダブルーズーマーズは1月23日が初戦)。チームとしてどのようなプレーをみせていきたいですか?――

今シーズンはチームの結束力をさらに高めて戦っていきたいということで、スローガンに「拘り(こだわり)」というフレーズを使っています。自分たちが積み上げてきたアタックやディフェンスに最後まで拘り、チーム一体となったプレーを全試合で披露していきたいと思っています。

――攻撃面でのチームの魅力を教えてください――

飛び抜けた選手がいないぶん、組織力を駆使して攻撃を仕掛けていくのがうちのチームの特徴です。グラウンドを大きく使って、ボールを動かして攻めるアタックを見てほしいですね。攻めないと試合には勝てないので、今年は特に“攻め”にフォーカスを当てて練習を重ねています。ぜひ注目してください。

――では最後に読者の方にメッセージをお願いします――

今年は新型コロナウイルスの影響でいろいろ大変な面もありましたが、9月に練習試合を行った際、僕らの想像を上回る方が応援に来てくださいました。支えてくださっている方のためにも、活気の湧くニュースを届けていきたいと思っています。また、ファンの方との交流を図るため、チームとしてInstagramを始めています。選手内でいろいろ企画を考えながら発信を続けていますので、ぜひチェックしてみてください。

ラグビーというスポーツをもっとたくさんの方に知ってもらえるように、そしてチームとして結果を残せるように、これからもがんばっていきます。少しでも興味を持たれたら、ぜひ観音の広島県総合グランドに足を運んでみてください。ラグビーの楽しさを実感してもらえると思います!

マツダブルーズーマーズは高い競技レベルもさることながら、ジュニアの育成や地域のラグビー普及活動にも積極的に取り組んでいる。

選手たちは広島に根付いたラグビーチームの一員として、多くの人々に感動と興奮を届けるため日夜、仕事と練習の二足のわらじで奮闘中だ。

「トップチャレンジリーグ」から「トップリーグ」へ。2021年1月23日、マツダブルーズーマーズの国内ラグビー最高峰を目指す戦いが、ついに幕を開ける。

【2021年トップチャレンジリーグ】

<参加チーム>

マツダブルーズーマーズ/釜石シーウェイブスRFC/栗田工業ウォーターガッシュ/清水建設ブルーシャークス/豊田自動織機シャトルズ/近鉄ライナーズ/中国電力レッドレグリオンズ/コカ・コーラレッドスパークス/九州電力キューデンヴォルテクス

<対戦方法>

9チーム総当たり戦の全36試合、勝ち点制。1位〜4位はトップリーグセカンドステージに出場。

※マツダブルーズーマーズの今季初戦は、1月23日(土)14時より愛知・パロ瑞穂ラグビー場で行われる豊田自動織機シャトルズ戦。ホーム初戦は2月13日(土)13時より広島総合グランドで開催される九州電力キューデンヴォルテクス戦だ。


崎口銀二朗

Ginjiro Sakiguchi

1994年生まれ。大阪府出身。178cm、84㎏。同志社大学を卒業後、マツダブルーズーマーズに入団。ポジションはフィールドプレーヤーの15人の中でも最後尾に位置するフルバック。先日、現役引退を表明した五郎丸歩選手と同じポジションを務める。マツダブルーズーマーズ主将。


本取材にご協力いただきました

マツダブルーズーマーズの関係者の皆様、本当にありがとうございました。

(文・インタビュー 真田/写真 真田、柿村)